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〜琉side〜
恋はぎゅっと琉の服を掴み、カタカタと震えている。
「寒い?」
その言葉に恋はコク、と小さく頷く。
「…怖い…?」
「りゅ…さんは…こわく、ない…」
琉は、ということは、あの男や今も鳴り続ける雷は怖いということだ。
今すぐに抱きしめて頭を撫でてやりたいか、その前にやるべきことがある。
「…恋、悪かった。お前に勘違いとはいえ、不安な思いさせて、挙句無理やり押し倒すなんてことして…ほんとごめん。」
「かん、ちがい…?」
「恋が、俺と一緒にいるところを見たあの女の人は共演者。最近朝が早かったり夜が遅かったりしたのは、その人に演技の練習に付き合ってほしいって言われたから。俺はその人に特別な気持ちなんて全くなかったけど、相手は違ったみたい。だから勘違いさせて、不安な思いさせた。ごめんな。」
「おれ、も…ごめんなさい…」
ぎゅう、と琉に抱きつく恋は、まだ震えている。
「本当は連れ帰ろうと思ってたんだけどな…とりあえず母さんに頼んで今夜は泊めてもらうか…とりあえず寒いのはもう少し我慢な。」
「ん…」
恋はコク、と頷く。
「…ほんとごめんな。お前に飽きるとか、体目当てとか、絶対ないから。でも、俺は恋が大好きだし、愛してるから、恋に触れたいって思うし、もちろんセックスもしたい。」
歩みを進めながら、優しく恋に話しかける。
「だけどもう、無理やり押し倒したり、絶対しないから。ついカッとなって、傑とのことも疑ったりしてごめんな。俺と気まずくて傑に頼ったんだよな。」
恋は抱きしめる腕を強くして、琉にしがみつく。
「ごめんな。俺が悪かった。」
「もう…許します…謝ってくれたし…助けてくれたから…」
「ありがと。恋明日仕事は?」
「ないです…」
「俺も休みだから、久しぶりにゆっくりしようか。」
そう言って恋の顔を覗き込むようにして微笑めば、恋は泣き始めた。
「うぅっ…うーーっ…」
「もう…目腫れちゃうぞ。」
「りゅ、さん…好きっ…好きぃ…」
「はいはい。もう勝手に離れていくなよ。俺が勘違いさせたのも悪いけど、別れることになる前に離れるとか考えるのやめろよー?」
「ん…」
恋はコクコクと頷いて琉にぎゅっと抱きつく。
家に着いて、眞弓にものすごく驚かれた上にかなり怒られたが、とりあえず恋を休ませるのが先、ということになり、なんとか琉は家に上げてもらえたのだった。
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