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〜琉side〜
「え、本当にここ入るんですか?!」
「うん、俺一回入ってみたかったんだよねー!」
驚く明希に、翔也が楽しそうにそう言っている。
明希が驚くのも無理はない。
4人が今いるのはゲームセンターの前だ。
琉も幼い頃に来て以来、ゲームセンターなんて来ていないから久しぶりでキョロキョロしてしまうが、それ以上に挙動不審なのが琉の隣にいる恋だ。
「恋、初めて?」
「はい…来たことないです。」
「中学のときとか来たことないの?」
「ないです。明希と遊びに行くときはいつもショッピングモールだったし…」
「明希ちゃんは来たことあるの?」
「はい。高校のとき、友達と。」
「じゃあ入りますか!」
翔也が明希の手を引き、中に入っていく。
「緊張してる?」
「ちょっと。」
ゲームセンター独特の雰囲気に押されているようだ。
「ま、そんなに怖がるもんでもないよ。」
琉はそう言って恋の手を取り、翔也たちの後を追う。
騒がしい雰囲気や、前にナンパをしてきたような男たちを見て、恋が琉との距離を詰める。
20歳になって初めてのゲームセンターで、可愛らしい反応を見せる恋に、琉はクスクスと笑う。
「プリクラ撮ろう!!」
翔也たちに追いつくとそう言われる。
「プリクラぁ?」
「撮ってみようよ!」
翔也に押されて、琉は頷く。
恋と明希も嫌ではないようだ。
「はいはい、入ってー!」
翔也はノリノリで、なんだかものすごく楽しそうである。
中に入って機械の操作は翔也に任せ、琉たちは荷物を置いたりコートを脱いだりする。
「プリクラ初めてだなぁ。」
「明希もプリクラは撮ったことないんだ?」
「うん。友達と来たって言っても、一回だけだし、そのときはナンパされてその友達が嫌がって帰ったんだよね。」
2人の話を聞いていた琉は、明希のそれは来たのうちに入らないなぁ、などと思いながら笑った。
「はい、撮りますよー!」
『モードを選択してね!』
女性の声に誘導され、画面をタッチする。
友達、恋人のモードを恋人、で選択する。
『人数を選んでね!』
2人、4人、それ以上の中から4人を選ぶ。
プリクラも進化したのか、などと思う。
恋と明希は興味津々といった様子だ。
『背景を選んでね!』
いくつかある背景の中から、翔也が適当に背景を選んでいく。
他にも肌の色や目の大きさなどを決め、(すべてオススメにした)いよいよ撮影。
『初めは可愛く顎に手を当ててポーズ!』
「おおー、ポーズまで指示出してくれるんだ!」
「俺らがやっても可愛くはならなくないか?」
『3、2、1!』
カシャ、と音がなる。
『こんな感じに撮れたよ!』
恋と明希を前に出したのは正解だ、と琉と翔也は感じる。
腰を屈めているせいか、自然とカメラに向かうと上目遣いになる。
それがプリクラの補正もかかってものすごく可愛い。
『次は恋人と見つめ合って♡』
場所を変えて、明希と翔也が前に、琉と恋が後ろに並ぶ。
2人で見つめ合うと、翔也は明希の手を取り、琉は恋の頭に手を乗せるオプションまでつけた。
『3、2、1!』
撮れた写真には、ほんの少し頬の赤い明希と恋。
2枚目にしてテンションが上がってきた琉と翔也は、完全にノリノリだ。
『次は恋人と抱き合って顔を寄せちゃおう!』
指示どおりにすれば、恋の耳は真っ赤になるし、明希もおそらく赤面しているのだろう。
撮れた写真で、恋と明希が女の子にしか見えないのは補正の効果だろうか。
『ダブルデート楽しかったなぁ!ピースで笑顔☆』
その指示に対し、翔也は明希の肩に顎を乗せてピース、明希は照れながらも笑顔でピース。
琉は恋の肩を抱き寄せ、恋の頭の上でピース。恋は顎の横で控えめなピース。
『目をつむってキスをおねだり♡』
「ふぁっ?!」
「はぁっ?!」
その指示にほぼ同時に声を上げる明希と恋。
「ほら、明希ちゃん、おねだりしてー!」
「恋。」
2人は恥ずかしがりながらも目を閉じ、カメラの方に顔を向けている。
そんな2人の頭に手を置き、翔也は軽くウインクを決め、琉は頭に唇を寄せる。
『最後は好きなポーズを取っちゃおう!』
その指示に対し、翔也と琉は同じ行動を起こす。
『3、2、1!』
撮れた写真にデコレーションまでして、出てきたプリクラに、恋と明希が真っ赤になったのはもちろん、最後の写真のせいだろう。
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