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〜恋side〜
「あー、あっつ…」
「本当ね…翔也さんたちノリノリすぎるでしょ。」
ゲームセンターの中の休憩スペースのようなところに腰掛けた恋と明希は、ゲームセンターの熱気と恥ずかしさに暑くなった顔をパタパタと手で扇ぐ。
手に持っている先ほど撮ったプリクラには、様々なポーズで撮った写真。
一番恥ずかしかったのは、最後に撮ったキス写真である。
額に軽くキスをした翔也と、頬にキスをした琉。
唇でなかっただけマシだが、恥ずかしいことに変わりはない。
「てか琉さんたちどこ行った?」
「探す?」
「迷子になりそうじゃない?」
キョロキョロと辺りを見回すが、2人の姿は見当たらない。
だからと言ってこの中を探し回れば、すれ違いにでもなってしまいそうだった。
「待ってるのが一番…だけど…」
明希と目を見合わせた恋ははぁ、とため息をつく。
彼らがいなかった時は、基本的に男性からのナンパを受けている。
2度とも矢面に立った恋にとって、それは軽いトラウマだ。
「あれ?翔也さんたち…だよね?」
そう言う明希の目線の先には、なにやらぬいぐるみを抱えた2人の姿。
「なに、持ってるんだ?」
「さ、さぁ…?」
首を傾げている恋と明希の元に、琉たちが帰ってきた。
「取れた取れた!」
「思ったより簡単だったな。」
(いや、あなたたちがとるの上手いんでしょ…)
心の中でそう突っ込みつつ、恋の目は琉が手に持っているぬいぐるみに惹かれている。
触ればもふもふとした感触がするであろう、ふわふわのそれは、某テーマパークのはちみつ大好きクマさんのぬいぐるみである。
家にあるウサギのぬいぐるみと同じくらいの大きさで、顔を埋めれば気持ちいいだろう。
「ん、これあげる。」
「ふふ…かわいい…」
琉にそのぬいぐるみを渡され、迷うことなく顔を埋める。
やはり想像通り、もふもふとした触り心地と、その愛くるしい見た目にそう声が漏れる。
一方の翔也は、同じく某テーマパークのピンク色の猫キャラのぬいぐるみを明希にあげている。
もちろん明希もその猫に顔を埋めていた。
そのまま持ち帰るのは難しいので、係員に頼んで袋をもらい、その中にぬいぐるみを入れた。
こういうものをもらうのは嬉しくて、自然と頬が緩む。
「気に入った?」
そんな恋に琉がそうたずねる。
「はい。すごく。ありがとうございます。」
「…あー、ほんと可愛い。」
「ん?ぬいぐるみですか?可愛いですよね。」
「…お前わざと?」
聞かれていることの意味がわからず、恋は首をかしげる。
「…じゃないよな。うん。わかってた。」
「琉、帰ろう。俺ちょっと、限界。」
「うん俺も。よし帰る。」
急に帰ろうと言い出した琉と翔也に、恋と明希は首をかしげるが、日がだんだんと落ち始め、帰るにはいい時間ではある。
自分たちに原因があるなどとはこれっぽっちも思っていないのだ。
「あ、夕飯の買い物して帰らないと。」
「あ、俺も!」
「琉さんたち先帰ります?」
「いや、付き合うよ。」
「俺も行くよー。」
4人はその後、最寄り駅まで戻り、いつものスーパーで買い物を済ませて、それぞれ家に帰り着いた。
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