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〜琉side〜
12月15日 0時
「ただいまー。」
日付が変わってすぐ帰宅した琉。
ここ最近忙しくて、5日に恋と外食して以来、話したり食事をしたりする時間がないどころか、深夜に帰宅する日が続いていた。
リビングに入ると、ミシンがコタツの上に乗っていて、恋がそこでスヤスヤと眠っている。
何か作っていたのだろうが、その作っていたものはすでにしまわれていて、どうやらミシンを片付ける前に力尽きたらしい。
「恋ー、風邪引くぞー。」
「ん…ぅぅー…」
むに、と頬を指で押すと恋が眉を寄せて唸る。
それが面白くて、恋の頬で遊び始めた。
むにむにと触っていても恋は起きる気配がない。
どうやらかなり疲れているらしい。
ここ数日、恋は仕事から帰ってきてやることを終えると、ずっとミシンと格闘しているようなのだ。
何を作っているのか、琉は一度も見ていない。
いつもミシンを片付けるところか、片付け終わったあとに琉が帰宅するからだ。
「なに作ってんだかなぁ…」
急ぎで作るものなのかもしれないが、ちゃんと体を休められているのか心配になる。
「ん、りゅうさん…?」
「お、起きたか?こんなとこで寝たら風邪ひくぞ。」
「へ…?今何時…」
「もう0時回ってる。」
「へっ?!」
恋はガバッと飛び起きて時計を確認する。
「わ…もう2時間もここで寝てる…」
「ったく、コタツで寝ると風邪引くって言われなかったか?」
「すいません…あ、おかえりなさい。ご飯、食べます?」
「現場で弁当食べてきた。明日の朝持っていくから、弁当にしてくれる?」
「はい。用意しておきます。明日は早いんですか?」
「んー、8時に現場入りだから…まあ、7時くらいに家出る感じかな。」
「わかりました。」
「恋、最近ちゃんと休んでる?」
「休んでますよ?」
「なんか毎日ミシン使ってるだろ。」
「あ、それは、まあ…」
「なに作ってんだ?」
「え?えーと…知り合いに頼まれて…」
なんだか歯切れの悪い答えに琉は少し不思議に思う。
だが別になにを作っていても琉にはよくわからないので、それ以上詮索するのはやめた。
「あ、 琉さん…クリスマスって、お仕事ですよね…」
「ん?あー…そうだな。多分仕事だ。去年は運良く休み取れたけど今年は無理かなぁ…」
「そうですか…」
「ごめんな、デートとか行けなくて。」
「いえ!いいんです。」
「でももう今やってるドラマの撮影はとりあえず終わるし、次のドラマはもう少ししてから撮影開始だから…そんなに遅い帰りにはならないと思うぞ。」
「わかりました。お風呂入って、体あっためてきてくださいね。」
「おう。先寝ててもいいぞ?」
「あ、明日は休みなので…待ってます…」
少し俯いて、恋はそう言う。
「ありがとな。」
頭をポンと撫でれば、恋は嬉しそうに微笑んだ。
入浴を済ませ、ベッドに潜り込み、久しぶりに恋と寝る時間が被った。
恋をそっと抱きしめて、その温もりを感じながら、琉は眠りに落ちていった。
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