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*183
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〜傑side〜
そのあともパレードを見つつアトラクションに乗って、土産物を先に購入し、夜の大きなパレードの場所取りをした。
「そういえば、さっき何されたわけ?」
翔也たちに、念のため昼のことを報告すると、詳しく聞いておけ、と言われたので聞いてみる。
「なんか、並んでるときに話しかけられて、彼氏と来てるんで、って言ったら強引に連れてかれそうになって。」
「俺が蹴り飛ばした。」
「…なるほど。」
蹴ったのは恋らしい。てっきり明希が自分で撃退したのかと思っていたがそうではなかったようだ。
「どこ行ってもナンパされるんだけど。」
「それな。」
「僕たちってそんなにフリーに見えるのかな?」
フリーに見える、というより隙がある、と言うべきだ。
それより、どこに行ってもナンパされる、と言うセリフは聞き捨てならない。
「どこ行ってもって、そんなにされてんの?」
「プールだろ?ショッピングモールだろ?花火大会だろ?3人でいた時は必ず声かけられてない?」
恋が指折り数えてそう言う。
3人でいるときに声をかけられている自覚があるなら、もう少し注意してほしいものだ。
「確かに…翔也さんたちいると声かけられないよね。」
「そりゃ、やっぱり、隣に相手がいたら声かけにくいんじゃない?」
千秋のその言葉は、少し違っている。
隣に相手がいるから、ではなく、隣の相手がものすごいオーラを放っているから、である。
あくまで傑の考えだが、おそらく間違ってはいないだろう。
「お前ら、本当に気をつけてくれ…」
「そう言う傑はなんもないわけ?」
恋がそう聞いてくる。
「はぁ?なんで俺が。」
「逆ナンってやつ。俺たちとは逆の。」
「ないよ。お前らの彼氏ほど俺はモテない。」
「じゃあ俺たちと同じ方は?」
「あるわけないだろ…明希たちみたいに無防備じゃない。」
「なんだよそれー。」
明希は不満そうに頬を膨らませる。
いちいちこういう行動が周りの目を引くのだが、無意識なのだからタチが悪い。
「はぁ…パレード始まるぞ。」
「おぉっ!」
パレードに3人の意識を向け、辺りを見回す。
ふと目があった男たちが、嫌な笑い方をした。
(気持ち悪…)
こちらを舐め回すように見ていて、嫌な予感しかしない。
これは帰りもこの3人を守る必要がありそうだ。
今はパレードのおかげで、人の移動ができないからこちらにくることはないだろうが、帰りになれば話は別だ。
翔也たちに連絡を入れておくべきか迷うが、帰りは迎えにくるとは言っていた。
そこまで連絡しなくてもいいだろう、と思い、傑もパレードに顔を向ける。
背の低い明希と千秋が前、傑と恋が後ろに2人ずつ並んでいて、恋がちらっと傑を見てきた。
「どうかした?」
先ほど男たちを見ていたのに気づいていたらしい。
「いや…なんでもない。」
「知り合いでもいた?」
「いや。帰りはさ、パレード終わる少し前に出よう。混むから。」
「わかった。まあお土産買ってるし、すぐ出れるよな。」
「多分な。」
「翔也さんに連絡するんだっけ?」
「そう。車で駅まで迎えにきてくれるらしい。」
パレードの喧騒のため、少し顔を寄せ合って話す。
そのとき、先ほどの男とまた目があった。
(ずっとこっち見てんのか…?)
パレードを見ている様子が全くない。
気持ち悪くて仕方がない。言いようのない不安が募る。
「傑?」
「あ、ごめん、なに?」
「いや、ぼーっとしてるから、大丈夫か?」
「大丈夫。」
恋も傑も前を向きなおす。
恋たち3人は、パレードを楽しんだようだが、傑はどうにも男たちが気になった。
それでも、このテーマパーク内で問題を起こすことはないだろうし、すぐに帰れば問題ない。
とにかく3人を彼らから遠ざければいいのだ。
そう思っていた傑は、甘かった。
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