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〜奏side〜
2月17日
「お、お邪魔しますです!!」
極度に緊張している貴也を、笑いをこらえて家に迎え入れる。
「いらっしゃい。」
今日は眞弓が用事で出かけていて、煌は友人とテスト勉強しているため、家には奏だけだった。
「俺の部屋とリビング、どっちがいい?」
「お任せいたします!!」
「貴也くん、緊張しすぎ。」
奏はクスクス笑いながらそう言い、貴也の額を小突いた。
「あぅ…だ、だって…」
「前にも来たことあるでしょ。」
「そ、そうですけど…恋人、では、初めてだし…」
指を遊ばせながら、顔を真っ赤にして、ゴニョゴニョととそう言う貴也。
可愛らしくて仕方ないが、奏は理性を存分に働かせる。
貴也が中学を卒業するまでは、さすがに手を出せない。
第一、セックスなんてしようものなら翔也にものすごく怒られるだろう。
翔也はあぁ見えて、貴也を大事にしているし、可愛がっている。うるさい、うるさいと口では言っているが、その表情はいつも優しい。
翔也を怒らせたらまずいことは、奏もなんとなく知っている。
それでも、軽い触り合いくらいなら許されるだろうか、と考えてしまうくらいには、貴也に夢中だ。
「俺の部屋でもいい?リビングは多分、物がたくさんあるから…」
「はい!」
貴也を連れて自分の部屋に入る。
「わぁ…」
「どうしたの?」
奏の部屋は、男にしては整っている。
奏はバスケ部だったので、それに関するものや本が部屋の大半を占めている。
「む、難しそうな本がいっぱい…」
「そう?あ、ここ座って。」
自分の机に座らせ、教材を出させる。
後ろに立てば、まるで家庭教師だ。
「で、なにがわからないの?」
「全部…」
「…ちゃんと授業聞いてる?」
「き、聞いてますよ!!計算はできるし…」
「苦手なのは関数とか図形かな?」
「そ、そうなんです!」
「よし、俺は結構厳しいよ?」
それから、貴也にかなりのスパルタ指導をして、数学の苦手を克服させた。
指導の甲斐あって、最後はかなりの応用問題まで解けるようになった。
「そ、奏さんきびしぃぃ…」
ぐだぁ、と机にへばりついた貴也を見て、奏はクスクス笑う。
「まあ、貴也くん頑張ったし、ご褒美でもあげようか?」
「本当ですか?!」
ガバっ!と体を起こした貴也がキラキラした目を向けてくる。
「なにがいい?」
そう聞くと、うんうん唸って迷った後、じっと奏を見つめる。
「ちゅ、ちゅーがいい、です…」
「…あんまりそういうこと言うと我慢できなくなるじゃん。」
「へっ?んむ、ぅぅ!」
貴也の顎をつかまえて、チュッ、チュッ、と啄ばむようにキスをする。
「んっ、ぅ、うぅ…」
キスに慣れていない貴也は、どうしたらいいのかわからないらしく、手をバタバタとさせている。
その手を掴んで、指を絡める。
少し開いた口内に舌を差し入れると、貴也がビクリと震えた。
そのまま軽く舌を絡めて、すぐに唇を離してやる。
これだけで肩で息をしている貴也は、まだまだ初々しい。
「かぁわいい。」
「そ、それちゅーじゃない!」
「なんで?」
「そ、それは大人の…大人のき、きすだもん…」
貴也にとっては、ちゅーときすが違うらしい。
「じゃあ、もっとキス、する?」
「…今はダメ…」
そう言って口元を手で覆う貴也を見て、奏はいつまで我慢できるのか、心底不安になるのだった。
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