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〜恋side〜
2月23日
「可愛いーっ!」
「指握ったよ。」
「ちょ、2人とも離れて。」
恋の家に、明希と千秋がやってきていた。
そして今日は、来客があと2人。
「恋くん、赤ちゃん抱くの上手だね。」
1月末に出産した遥と、零と遥の子供である薫(かおる)だ。
「そうですか?なんかもう、落としそうで怖いです。」
恋の腕の中には、スヤスヤと眠る薫がいて、それを明希と千秋も覗き込んでいる。
「2人も抱いてみたら?」
「いいんですか?!」
薫が寝ているため、興奮していても小声な明希に、遥がクスリと笑った。
「うん。いいよ。」
そっと明希に薫を渡す。
「わぁ…可愛い…」
明希は優しい表情で腕の中の薫を見つめる。
「子供…欲しいなぁ…」
そう言う明希の表情は、どことなく悲しそうだった。
「翔也さんと作っちゃえば?」
「作りたいんですけどね…まあまだ俺は大学生だし…俺…不妊なんです。」
明希の言葉に、遥が目を見開いた。
「治療、するの?」
「そのつもりです。」
「そっか…不妊治療は、焦らない方がいいって聞くから、気をしっかりね。」
「ありがとうございます。あ、千秋も薫くん抱いてみる?」
「う、うん。」
サッと話題を変えてしまった明希。
まだ、不安感や、心の傷が残っているのだろう。
男性妊娠には、精神的なものも影響するとよく聞く。
明希の場合、薬が適応してからはそれが問題になるかもしれないと、恋は思った。
「そういえば、遥さん、仕事は育休とるんですか?」
薫が遥の腕の中に戻り、明希がそう聞く。
「在宅でもできる仕事に切り替えてる。零は仕事が不規則だし、家で育てたいから、俺が面倒見るんだ。」
「なるほど…」
「あまり無理しないようにしてくださいね。」
「それ零にも言われたよ。」
恋の言葉に遥は苦笑いだ。
零から相当言われたに違いない。
「今日もさ、ここまで送るって聞かなくてさ。送らなくていいから迎えにきてって言って、なんとか納得してもらった。」
「迎えに来るといえば、紘さんも翔也さんも来るって言ってたけど。」
「え?!そんなの聞いてないけど!」
「僕も聞いてない。」
「琉さんが言ってたよ?3人で帰るから、明希くんたち待たせといてとかなんとか。」
「これ、もしかしたらだけど、零も来るから全員揃うんじゃない?」
「え、まさかぁ!さすがに翔也さんたちと零さんの時間は被らないですよ。」
「そうかな?」
「零さん何時ごろ来るんですか?琉さんたちは今日は早くて、16時には帰宅できるって言ってたんですけど。」
「その時間に仕事が終わるから、ここに来るのは16時半とかじゃないかな?」
「それは、会うかもしれないね。」
千秋の言葉に、4人で顔を見合わせる。
「受け同盟が活躍する時が来たんじゃない?!」
「それだと貴也くんも必要だけど?」
「あっ、確かに。」
明希がそう言った時、示し合わせたかのようにインターフォンが鳴った。
「…え?俺もしかしてフラグ立てた?」
そう言う明希と目を合わせてから、恋は玄関に向かう。
ドアを開けて、そこにいたのは。
「こんにちは!!」
「…貴也くん…と、傑?」
なぜか重そうなリュックを背負っている貴也と、かなりラフな格好の傑。
「よう。翔也さんに呼び出されて来たんだけど。」
「傑さんとここで会って、びっくりしちゃいましたよ!俺は琉さんに呼び出されたんですけど、なんなんですかね?」
「…まあ、とりあえず入って。」
すでに打ち解けているらしい貴也と傑を連れて、恋はリビングに戻った。
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