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〜恋side〜
「あっ、赤ちゃんがいる?!」
「こら、貴也くん、しーっ!」
薫を見て思わず叫んでしまった貴也を、明希が叱ると、貴也はガバッと口を押さえる。
幸いにも薫は起きていないようだった。
「やっぱり貴也くんだったんだね…」
千秋がそう言って苦笑いする。
「傑までどうしたの?」
「お前の旦那に呼び出されたんだよ。」
「だ、旦那…」
「いちいち照れんなよ…」
明希の照れに影響され、心なしか傑の頬まで赤い。
「なんで翔也さんは傑を呼んだんだろう?僕たちが集まってるからかな?」
「さぁ…なんか…夕飯の用意をした方がいい気がしてきたんだけど俺。」
恋の家は広い。
今日、10人が集まろうとしているが、部屋は問題ない。
それより、16時に集まったとして、はい、すぐに解散、とは絶対にならないと思うのだ。
「鍋にでもすればいいんじゃん?手伝おうか?」
「えっ、傑料理できるの?」
「…明希、それすごい失礼じゃね?」
「いや、傑って運動のイメージがあるっていうか。」
「鍋か…」
話している傑と明希は放置し、恋は冷蔵庫を覗く。
昨日、野菜が安かったため購入しておいたから、頑張れば全員分作れるかもしれない。
が、やはり少し買い出しは必要そうだ。
「…よし。もうこれは、今夜パーティーになると思って用意しよう。」
「わー、楽しそう。零に早く来るように言っておくよ。」
「役割分担。まず、遥さんと薫くんと千秋はお留守番。千秋悪いんだけど、米だけ先に炊いておいてほしい。」
「うん、わかった。」
「それから、俺と明希と傑と貴也くんで買い出し。ショッピングモール行って適当に買い物してこよう。」
「あ、それなら俺の車貸そうか?誰か運転できるならだけど。」
「俺運転できるんで、借りていいですか?てか、初めまして。俺、笹倉傑です。」
「初めまして!俺は鈴木遥です。」
「わーい!買い出しー!」
「…というわけで、遥さんと、千秋、よろしくお願いします。」
「はいはい。洗濯物とか畳んでおくね。」
「すいません。ありがとうございます。」
時間は15時。
全員揃うまでにはまだ時間があるとはいえ、急いで買いに行かないと下ごしらえが間に合わない。
「よし、そうと決まったらさっさと行くぞ。」
恋はそう言うとスタスタと歩き出して、玄関に向かう。
「恋がお母さんだ。」
「ていうかこのメンバーで買い出しって大丈夫なわけ?ナンパされない?」
「俺がいるんでナンパなんてされないですよー!」
「ごめん、俺から見たら貴也くんが1番危ない。」
「えぇ?!」
「ほら、さっさと来る。」
リビングに顔を出し、3人にそう言って、買い出しへと向かう。
傑の運転でショッピングモールに着き、食品系の店舗が並んでいるところに向かう。
「鍋で、何買うの?」
「野菜と肉を買い足して、それから鍋だけだと寂しいから、軽く作ろうかと思って。」
「軽くって、何作るの?」
「夜までにできればいいから、今から下ごしらえしても間に合いそうな、大量生産できるおかず。」
「唐揚げとか?鍋は和食だし、和系がいいよな?」
「うん。」
傑と恋の2人で話しながら、カゴに次々と食品を投入して行く。
一方明希と貴也も、飲み物やお菓子、お菓子、お菓子…を入れて行く。
「お菓子多すぎ。」
「だってパーティーですよ!パーティー!」
「俺が出してやるから細かいこと言うなって。」
「傑のお金だからいいとかそういう問題じゃないの。」
「恋と傑が夫婦なんだけど。琉さんに嫉妬されるよ?」
「…言うなよ。」
明希にそう釘を刺す。
もしバレたら一体どう暴走するかわかったものではない。
結局明希たちが大量に投入したお菓子も購入し、本当にホームパーティーのようになってしまった。
「まじでパーティーだな。」
車に積み込んだ荷物を見て、傑がそう言う。
「まあ、10人もいるし、いいんじゃん?」
「パーティーパーティー!!」
「いえーい!」
テンションがかなり上がって、キャッキャッとしている明希と貴也に向けられる、男達からの嫌な視線。
傑と恋は顔を見合わせて、ため息をつく。
明らかに欲をはらんだ視線から逃れるべく、すぐさま車に乗り込み、4人はショッピングモールをあとにしたのだった。
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