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残さず③にしおりをはさみました!
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残さず③
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「……犬?」
ピクリと眉を先程の俺みたいに顰めて、俺を見やった。
空気が冷たく感じてなんだかいつもと違う雰囲気にたじる。
「そ、そうだよ。なんか今日はやけに静かだし…寝てんの?…あ、もしかしてペットホテルに預けたとか…」
「ねえ」
「…な、なに?」
いつものように優しく頬を撫ぜてくる彼に少し戸惑いながら返事をする。
「なんで俺より犬の事を気にするの?あんなのただの愛玩対象の一つだろ?いてもいなくても、俺を優先しろよ。な?」
「え……」
今、彼が何を言ったのか全く分からなかった。
いつもそんな風に思っていたのか?
嫌悪してる風には見えなかった。
むしろ犬のトイレのシート交換とか餌やりとか進んでやってくれて…
でも、それにしたって犬はどこに……
「おい」
俺がそうやってぐるぐるとずっと考えいると彼が撫ぜていた手を止めて、その手でグイッと俺の顎を掴んで無理矢理顔を合わせてきた。
「んっ!うっ……」
「もう犬の事は考えるなよ。これからはまた俺だけを見ろよ」
掴む手がギリギリと力を入れてきて、その痛さに離そうとするが、それが逆に彼の何かに触れてしまったらしく、廊下の壁に勢いよくドンッと押し付けられた。
「お前、俺よりあんな犬の方がいいのかよ。俺の事が嫌いなのか?そんなわけないよな?そんなの許さないからな。それにもうどこにも犬はいないんだからな」
「ゔ…あ…いな…い…って……」
壁に背中が思い切り当たってしまい、その痛さで呻いてしまうが、どこにもいないってどういう意味だ。
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