アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
15。にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
15。
-
困るんだよなあ。
みのべくんはずっと優しく笑うんだ。
そんな笑い方されちゃったらさ
手放せなくなっちゃうだろ?
***
ある朝目が覚めたら、みのべくんが居なかった。
部屋中を探し回って、でも居なくて。
連れ去られたのかなって思ったけど、
僕の家は鍵がかかっているから、外から入るのは不可能だ。きっとみのべくんの意思でいなくなってしまったんだろうなあ。
僕は止める気はなかった。
いつかこんな日が来るのではないかなと思っていた。心のどこかで、ずっと。
「あーあ、仕方ない、また何もない生活に戻るのか」
そう諦めたその時だった。
「ごめん!おにいちゃん!」
みのべくんがドアから帰ってきた。
「みのべくん!」
「ごめんね、あのね、ちょっとおそと出てみようって思っただけなの!ごめんなさい、ぶたないで...」
そういったみのべくんの目はすごく怯えていて、僕はなんだか嬉しい気持ちになった。
僕はダメ人間だなあ。
「大丈夫だよみのべくん、僕はもうぶったりしないよ。それよりも、みのべくんが帰ってきてくれたことが何よりも嬉しいよ」
「うん、あのね、ぼく、おにいちゃんのことだいすきだから、おにいちゃんしかしらないから、かえってきたかったから、かえってきたんだよ!!」
みのべくんはかわいくて、やさしい。
だからつい甘えてしまうんだけれど。
「ありがとう、みのべくん」
少しだけ、小さく声をだして、みのべくんに呟く。
「こちらこそありがとうね、おにいちゃん」
へへ、とみのべくんが大きな声で僕に笑う。
幸せだ。
すごく。
もっと長く、
この幸せが、
続きますように。
叶えてね、神様。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 18