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episode.12 交わる歯車にしおりをはさみました!
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episode.12 交わる歯車
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※「好きと言えたら」のepisode.74とリンクしています。
ハンスside
ロン「ハンスさん、本当にこの人たちは信用できるの?」
ロンは察しがいい。
おそらくこの前のマキシムの発言を、冷静になった後、考えてみたはずだ。
そして俺と同じ結論、日本の金持ちがレントラントの裏にいると読んでいるはず。
急に現れた彼らを信用していいものか迷っているのだろう。
ハンス「大丈夫。ロン、お前ならわかるだろう?レンはΩ遺伝子を持っている」
ロン「…そうだね。じゃあレイに連絡入れるよ」
ハンス「頼む」
レンはラズと何やら話をし、クレアを誰が抱えるか迷っているらしい。
体格的に言うならキノモトが1番いいだろうがそれがダメなのはレンが察している。
恋「俺がおんぶしましょう」
レンはそう言うとためらいなくクレアを担ぎ上げる。
レンは細い。心配だが、彼が背負うといったのだから任せよう。
途中で俺が交代してもいい。
恋「ひとまず急ぎましょう。この、少年が心配です」
恋の言葉に俺たちも頷く。
木之本「それにしても、まさか明希ちゃんを探してて他の人を助けるなんてね」
恋「そうですね…木之本さんは明希を探しに行ってください」
木之本「いや、今は恋くんを1人にするのも心配だし…琉も探してくれてる。とりあえず彼らを恋くんの家に連れて行こう。明希ちゃんのことはそれからだ」
なにやらこの2人はアキという誰かを探していたところらしい。
それでこんな路地裏に…
ハンス「レン、アキという子は大丈夫なのか?路地裏に探しに来るくらいだ、きっと危ないのだろう?」
恋「心配してくださるのはありがたいですが、それより彼の方が命の危機を感じますから。彼には何かあるんでしょう?」
なんという人間だろう。クレアの特異体質を簡単に見抜いたらしい。
恋「大丈夫、明希は…大丈夫です」
レンは自分に言い聞かせるようにそう言った。
ハンス「レン、俺たちの仲間に頼んで捜索を手伝ってもらおう。俺たちの捜索に出てくれた人間がまだこのあたりにいるはずだ」
恋「それは助かります。身長は168cm、持っている黒いリュックに白い猫のキーホルダーがついています。今日はグレーのピーコートを着ていて、オパールのついたリングを左薬指にしてます」
ハンス「わかった、特徴を伝えて捜索してもらおう」
このとき、歯車が交わり始めたことを、俺たちはまだ知らない。
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