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18歳以上ですか?
、にしおりをはさみました!
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「篤矢(あつや)、篤矢!」
みちの、声…
背中を丸めて、床にうずくまってからどれだけ経ってからだろう…
顔を僅かに上げると、包帯を巻いたみちの顔がすぐそこにあった。
「篤矢!」
みち、起き上がれるように…
「頑張って、」
頑張っているよ、それこそ死ぬほど…
だせどもっとしっかりしなきゃ
君を、もう二度と置いていくことがないように
日が昇り始めると、吐き気や熱は徐々に引き始めていた。
そして太陽が高くなる頃には身体に怠さを残して座っていられるようになった。
「うん…これで大丈夫」
光彦の検診が終わると気が抜けた。
「よかった」
みちも一安心したみたいだ。
「これから、気をつけなきゃいけないこととかあるか?」
「一番の問題は、奇跡としかいえない現象が君の身に起きたことだ。
きっと人間の医者は酷く疑うと思うから知り合いに便宜を図ってもらうよ。
俺たちのことは勿論だけど、自分でもわからないって風に誤魔化しておいて。
それ以外は無いよ。ふつうに生活してもらって大丈夫。
副作用も出ないはずだ」
「ありがとう、本当に」
「君が助かって俺の方が嬉しいよ。今日は2人とも帰って休んだ方がいい」
「わかった…なぁ光彦」
「何?」
「また会えるよな?」
「ふっ………医者は患者を途中で見放したりはしないよ」
今日初めてみる光彦の笑顔だった。
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