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ちぎり、ちぎり(13/21)にしおりをはさみました!
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ちぎり、ちぎり(13/21)
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風を切る勢いで達希に迫り、地面に押し倒し組み敷く。
強く背中を打った小僧は、咳き込み生理的な涙を目の端に浮かべた。
「げほ…っ、ハ…ク……?……うっ」
「"忙しかったから"で済むと思っているのか、小僧……!
我がどんな気持ちでお前のことを待っていたか……分からないのだろうな」
鋭いかぎ爪を達希の肩にぐっと食い込ませる。
血が滲み出し、小僧の顔が痛みで歪んだ。
「痛…っ、白、どうしたんだよ……!」
「どうした、だと?それも分からないのか、ヒトの子!」
やはり、前に達希が我に告げた想いは偽りだったのか……。
"
「白……!大好き!」
「来年も、りゅーせいぐん、一緒に見ようね」
「俺は、違う!! 皆がそうでも、俺は絶対に白を裏切らない!
ずっと、ずぅーっと、白の傍にいる。
もう、白を寂しい気持ちにはさせない!」
「白……俺が白を幸せにする。だから、もう安心していいよ」
"
……嘘つき。
目の奥が、じわりと熱くなる。
瞳から溢れだした涙は、ぽたりぽたりと落ちて達希の頬を打った。
そんな我を、達希は驚いた表情で見上げる。
「……白…?」
「…っ、教えてやろう、小僧。我の呪いを解く方法を。
……お前を喰らうことだ。ヒトの子を喰らえば、我の呪いは解かれ、ヒトとしてこの世に生まれ落ちる事ができる……」
「……!」
「だから達希……我の為に死んでくれ」
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