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聞きたいこと -4にしおりをはさみました!
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聞きたいこと -4
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走る。
ただひたすらに走る。
足はだんだん重くなる。
沼にはまったような感覚だ。
何かに追われている気配を感じて振り返る。
黒いオーラをに包まれたそれは俺に迫ってくる。
逃げろ、逃げろ、追いつかれる
なのに足は重くなっていく。
相手の影が俺の体を貫くーーー
「……起きたか?」
「うわあああぁあああああ!!!!!」
「っんだよいきなりビビらせんな…」
目を開けるとそこには、
デジャヴとも思える光景があった。
白い天井に白い壁の保健室、
そしてその中に俺と達。
「…えっと、……え?」
「無理して走りすぎたな」
ああそっか、体育の最後に倒れたんだった。
「ムキになりすぎ、そんな俺に
負けたくなかった?」
ドラマの悪役のようにニンマリとした顔で、
仰向けになっている俺の顔を
覗き込んでくる。殴りてぇ。
「なっ…!誰がお前なんか!
俺は普通に走ったって一番速いし」
「本当かなぁ?ありゃどう見たって
キャパオーバーだったけどな」
コイツ、俺の心を全部分かってやがる。
流石幼馴染というか…、気にいらねぇ。
「なめんな、俺に走りで勝ったこと
ない癖に」
「あぁ?んなわけねーだろ」
「あるね、俺負けたことないから」
しかし俺だってコイツの幼馴染だ。
達が俺に負けることを極度に嫌がることを
俺は十分に分かっている。
「…それは、たまたまだな」
「認めろよ、意地わりーなぁ」
「お前こそしつけぇんだよ、
走るのが速いから何だ?あ?」
そこからいつものように
また口喧嘩が始まってしまった。
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