アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
不思議な後輩 10にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
不思議な後輩 10
-
思わず彼の顔を見上げてしまう。
彼の目は必死にも見えた。
一体どうして自分を抱きしめたいというのだろう。
戸惑っている硝子を結局恭介は引き寄せて宣言通りぎゅっと抱きしめてくる。
「....雛瀬先輩...」
耳元で囁かれるが、
抵抗する力もなく硝子はされるがままだった。
この人は一体なんなのだろう。
じっと固まっていると恭介の腕は離れ、
彼は嬉しそうに微笑んでいた。
「じゃあ、また明日学校で」
それだけ言うと彼は元来た道を戻って行ってしまった。
硝子は暫く呆然としていたが、やがて自分も家路についた。
また明日、なんて言われたことがあっただろうか。
不思議と彼に包まれていた身体が暖かいような気がして、
硝子は自分の胸に沸き起こるじわじわとした感覚が恐ろしくて唇を噛みながら歩いていた。
伊積恭介、くんは、変な人だ。
そんなことを漠然と思いながら。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
19 / 229