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贅の限界値 3にしおりをはさみました!
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贅の限界値 3
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一晩中泣いてしまった為瞼がとても重い。
ひどく疲弊していて、歩く度ぐらぐらと視界が揺れる。
立ち止まってしまいそうになりながら、
硝子は足を引きずるように歩いた。
「あ..」
何もないところで足があがらず躓き、
硝子はそのまま倒れていった。
地面にぶつかる...、そんな風に他人事のように思いながら。
ばたんとアスファルトに身体は倒れ、鈍い痛みが全身に走る。
くすくすと笑いながら通り過ぎていく生徒たち。
硝子は暫く起き上がれず痛みに耐えていた。
すると誰かがバタバタと走ってくる音が聞こえ、
このままでは踏まれてしまうかもしれないという恐怖感で硝子は地面に手をついた。
「雛瀬先輩ッ!」
走ってくる誰かの足音はすぐ近くで止まり、
恭介の声に変わった。
彼は硝子を助け起こしてくれる。
「...いずみくん...、あはは、転けちゃった」
「怪我はないですか?ああ、俺がもっと早く..」
恭介は悔しそうに声を零している。
硝子は恭介に助けられながら立ち上がる。
身体はとても痛いのだがふわふわと浮いているようで、
麻痺しているようななんだか不思議な感覚であった。
「先輩?」
恭介は不安げに硝子の顔を覗き込んでくる。
前髪を搔き上げるように顔や頭に触れられ、
硝子はぼーっと彼の顔を見つめていた。
新しい眼鏡は、ピントがちゃんと合っているはずなのに
彼の顔がぼやけてみえた。
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