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1-18にしおりをはさみました!
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1-18
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本当に。
……どうしたらいいのか分からなかった。
いつものように断ればいいだけなのに、何故かそれが出来ない。
篝は凄く綺麗だと思うし、身長も俺より高くてスタイルも良い。
あまり関わって来なかったので性格までは知らないが風紀委員からの信頼も厚いし、モテるだろうと思う。
実際に以前、由貴達が篝は物凄くモテてるらしいと話しているのを聞いた事がある。
親衛隊も学園で1番規模が大きいと聞いた事もある。
そんな篝が、何で俺なんか……。
人を好きになった事も無いし、明るいわけでもない。
社交的なわけでもないし、性格が良いわけでもない。
篝のような人に好かれるような人間では無い事はあきらかで……正直、戸惑いしか無い。
そんな俺の様子を見てか、篝はまた困った様に微笑んだ。
「いきなりごめん……驚いたよな。…無理なのは分かってるから、きっぱり振ってほしい。そしたらちゃんと諦めるから」
きっぱり振る……。
そうだ。
俺は元より誰とも付き合う気はないんだし、きっぱり振るしかないのだ。
けれど、俺の中の何かがそれを拒もうとする。
心臓の奥がキリキリと痛い…。
「……麻見?」
「あ………うん、ごめん…。えっと……正直、なんて言ったらいいのか…。篝の事は嫌いじゃないし……もっと知れたらとは思う……けど、俺…恋愛感情とか良く分からなくて……」
今思っている事を正直に話した。
篝の事は嫌いじゃないし、今迄関わって来なかった分、もっと知りたいとも思う。
けれど…やっぱり、恋愛感情は分からなくて…。
付き合うだとかそういう事は、今の俺には良く分からないのが事実だ。
でも、もっと知りたいだとかそういう風に思ったのは篝が初めてで…。
俺にとっては、大きな1歩を踏んだかのような感覚だった。
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