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18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
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俺は中学の時結構強い野球部に入ってて、その中でエースだった
引退まで好成績を残したし、誰にだってピッチャーの座を譲らなかった
それは俺だけが望んだことじゃない
その時バッテリーを組んでた馬場も、俺じゃないと嫌だとか言って結局3年間一緒だった
馬場のキャッチャーは対戦相手に名指しで警戒されるほど上手かった
馬場の二塁送球は誰だって見惚れるほど格好良かった
こいつがいたからこそ、俺は全力で投手を全うできたんだ
キャッチャーマスクを外して顔が見える時が輝くように男らしくて、そんな馬場を俺は、好きになってしまった
先輩が引退し、俺らの代になってからまだ日が浅かったその日は汗も乾いてしまうようにジリジリと暑く、試合が終わってから暑い日こそ熱い飯だと言って部員全員で近所の安いもんじゃを食べに行った
今日の試合はどーだったとか焼き過ぎだとか一通り騒ぎながら腹を満たして、こんな楽しい時間が続けばいいのにと思った
割り勘の会計を済ましてその後はすぐ解散、だけど馬場にコンビニ寄ろうアイス買おうと誘われて、2人だけ別路を辿った
コンビニでアイスを買って帰り道、溶ける前に袋を開ける
「あいつらアホだよなあ、彼女がどうとか飢えすぎだもんな」
だって俺はお前がすきだ
「ああ、ほんとに」
きっとお前にも彼女ができて、その腕で優しくだくんだろ
「俺、彼女いらないよ、だって今が楽しい」
それだけじゃないお前のそばにいたいんだ
「知ってるよ、俺、相馬の事ならなんでも知ってる」
…バッテリーだからそんな事
「相馬、お前俺の事すげえ好きだろう」
「…はぁ?ハハ、そりゃあ好きだよ、お前がいなきゃ夏大優勝目指せないよ」
「ちげえよ、お前、俺の事好きなんだろう」
アイスが指へ垂れる
蝉が五月蝿く鳴いている
日が落ち始め、傾く太陽がまだ俺らを見てる
蒸し暑くて、俺の額から汗が一滴、焼けた肌を滑るように落ちた
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