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寂しい?にしおりをはさみました!
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寂しい?
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本当にツンデレなんだからーと言いながら僕の目を覆っていた手を離してくれた。チラッとハイネ先輩を見ると先程と変わらず楽しそうにニコニコしていた。
「誰がツンデレだ。寝言は寝ていえ」
「素直になりなってーもー可愛いなぁー」
「お前本当に黙れ・・・」
「かーわーいーいー」
口では悪態ついてるがどこか照れているようにも見える莉沙兄。ハイネ先輩と話していると莉沙兄は僕が見たことない表情を見せる。それが何故か寂しく感じて、莉沙兄が遠く感じて、不安を覚えた。
莉沙兄に抱きしめられているのに・・・触れ合っているのに、近くに莉沙兄がいないようだ。
寂しい・・・
「・・・海砂?」
いつの日かにも感じたこの孤独感は何時になっても慣れない。苦しくて痛くて涙が出そうになる。あれから数年経ったというのに何一つ成長していない僕。一人小さな部屋で一人はとても苦痛で、あの日も同じだった・・・辛くて、辛くて、もう、僕がいらなっ
「海砂!!!!!」
「っ!!!」
「海砂・・・っ!何をそんなに悲しんでんの・・・っ、一緒にいるじゃん、一人じゃないのにそんなに悲しそうな顔をしないで・・・!」
「あ・・・っ、ごめんな、さい・・・ボーッとしてたらつい・・・」
「海砂・・・っ」
気付けばまた“あの事”を思い出してしまっていた。けれど“あの事”の事は僕は覚えていない。たまに思い出してしまうが正気が戻ると全て忘れてしまう。“あの事”とは一体何なのか誰も僕に話そうとしない。だから分からない、本当に“あの事”という出来事があったのかさえ。
「ごめんなさい莉沙兄・・・僕、」
「いや、いいんだ。海砂には兄ちゃん達が居るんだから大丈夫・・・安心して、久兄も今すぐ呼ぶからね」
「うん・・・あ、りがと・・・ぅ」
「うん。おやすみ、海砂」
*何か謎がある末っ子と溺愛する次男と珍しく驚いているハイネ
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