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遼side. ①にしおりをはさみました!
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遼side. ①
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「ただいまー‥‥って、要くん?!」
俺がお風呂から上がると、要くんかがソファーに蹲っていた。慌てて駆け寄り要くんの肩に触れると、小さくすぅ、すぅと寝息が聞こえてきた。
時計を見ると、2時前を指している。
‥‥疲れて寝ちゃったか。
無理もない。話を聞く限りこの一ヶ月ろくな休みも取らず働いていた上、今日も色々あったからな‥
‥ふ、まぁ後半は殆ど俺のせいか。
俺はキッチンに置いていたスマホを取って開くと、おびただしい数の着信履歴が入っていた。
今日は久しぶりの休みだというのに全く‥‥。
俺はその履歴から着信を掛けると、すぐに繋がった。
「っ理事長!やっと繋がりました。なぜ電話に出てくださらなかったのですか!?」
「あーはいはい‥今日は休みのはずだろう。たまにはゆっくりさせてくれ」
「っ‥‥申し訳御座いません‥‥。」
「明日話は聞く。
ところでな、一つ頼みがあるんだ。
‥‥半月先くらいに、3年に1人転入生を迎える。
その子の学費は全額免除させるつもりだ。
手続きと準備を明日にでも始めておいてくれ」
「‥は?何故そのような‥‥?!」
「それも明日話す。切るぞ」
「っちょ」
ー全く、この秘書との話は疲れる。
まだ新人だが、仕事ぶりは有能だ。
ただきいきいと小言が多い‥‥たまにキズだな。
「さて。よっ、と」
スマホをテーブルにおいて、要くんを横抱きにして起こさないようにゆっくり抱え上げて寝室へ運ぶ。‥‥要くんすげぇ軽いな。男子高校生の体重じゃないだろ、これ。
来た時から思っていたが、細いし軽い。
これは食べさせなくちゃなと思いながらゆっくりとベッドに下ろして、改めてその寝顔を見つめる。
「‥‥泣いたのか」
涙のあとをそっと撫でて、目にかかる前髪を払う。静かに寝息を立てるその姿に、抱き締めたくなる欲求が芽生えてくる。
ー好きだよ、要くん。
一目惚れしたんだ、君に‥‥
君を悲しませたりなんか絶対にしないから。
だから、ねぇ。
‥‥俺のことを好きになって。
初めて感じた感情にぎゅ、と胸が痛んだ。
ぐるぐると自分勝手な願い事を思いながら、額に手を添え、おやすみ、と呟いて口付けた。
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