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上野の夜桜にしおりをはさみました!
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上野の夜桜
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16時。
学校が終わり、浴衣を着てレンと2人で上野の公園に行く。
と、結構な人で賑わっていた。
浴衣な分、心持ち見られている気がする。
その一画に部長達の姿を捉える。
シートの上にはコンロと鍋。
いい匂いが漂って来る。
昼休みの後、彼らには鍋の準備を先に頼んでいた。
「にしても鍋なんて、考えたな」
春だから冷えると思って。
というより、去年は何も下準備なく夜桜に行って痛い目にあったから。
「だから、今日は大荷物だったんだね」
持ち物は家から持って来た簡易コンロと野菜を切ったクーラーボックス。
あとは学校から借りた大鍋。
そして、手元を照らすカンテラ。
「うわー!美味しそう!」
部長が鍋の蓋を開くと、色合いの良くなった野菜やお肉があった。
早く食べたい。
その後、後輩の島くんが少し遅れて到着した。
ミキちゃんが持って来てくれた割り箸やコップ、お皿を皆に配って行く。
「これでお酒があれば最高ですね」
島くんが呟く。
「僕ら未成年だよ!」
と言うと、僕の反応を面白がって部長がコンビニ袋から何かを取り出す。
「ふっふっふ」
実はあるんだな!と言って取り出したのは、甘酒だった。
「ええっ、飲酒じゃないですか!?」
僕がそう言うと、西村部長は腕を組んでドヤ顏をした。
「青いな、青二才」
それに乗って来る島くん。
「ハル先輩っ、甘酒はノンアルっすよー!」
「ノンアルは合法なんだって」
レンがすかさず助太刀する。
「甘酒って確か、米麹で出来てるんだよね」
副部長が言う。
なんで知らないの僕だけなの。
レンがぐぐった画面を見せてくれた。
確かに、米麹で出来た甘酒はアルコール成分が入っていないらしく、未成年でも飲んでいいそうだ。
「ささ、乾杯しましょ!」
そうだな。と部長が頷く。
今日は皆、秘密裏に用意して来ていたものがある。
「新入部員、島くんを祝って!壮大に乾杯!!」
音だけクラッカーを鳴らして、島くんにはドンキで買った主役の帽子とタスキをかけてもらう。
未だ戸惑っている島くん。
それもそのはず。
今日は島くんを祝うなんて一言も言ってこなかったのだから。
島くんが入って一週間。
後輩が入ってくれて正直かなり嬉しかった。
その後、三脚で固定したカメラを通して写真を何枚か撮った。
そのうちの一枚をWIFI経由でケータイに送って貰い、僕は写真と共に、SNSで呟いておく。
「ええっ、もうRTこんなに来てるんですね」
島くんが驚いた声を上げる。
それもそのはず。
どれだけ写真部を見ている人がいるかと知った時、僕も初めは驚いた。
「皆島くん入部を祝ってくれてるからだよ、きっと」
僕がニコニコ笑うと、横で島くんが嬉しそうに顔を赤らめた。
5人でワイワイと夜桜を堪能していると、部長が素っ頓狂な声を上げた。
手元にはレンのカメラがある。
「ハルの顔が最高にエロい!」
部長の隣にいるアキラ先輩と島くんも同じようにカメラを覗き込んでいた。
「ね、めっちゃ可愛いいっすよね!」
褒め言葉なのだろうが、なんだか複雑。
「え、これってキス?」
やらせだろうかと一瞬疑う部長だが、それをスパンと跳ね除ける島くん。
「先輩が可愛すぎて、やっちゃいました」
一気に恥ずかしくなる。
公開処刑をされている気分。
「お前…モテるからって男女見境なく手出すなよ…」
部長の言い方が可笑しくて、笑い出すアキラ先輩や島くん。
釣られて僕も笑ってしまった…。
「ハル、気をつけろよ」
冗談半分でレンも言う。
そんな一方で、
「流石レンくんだね。自然体でこんなに表現できるなんて」
そうアキラ先輩が感嘆の声を漏らした。
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