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前と違う距離
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「浮気すんなよハル」
放課後。
部室で一息ついていると、また例の人物が窓際にやってきた。
相変わらず、ここを暇つぶしの場所を思っているらしい。
「僕が浮気…?」
窓に近付きながら返事をする。
もしかして、家庭科室でのことを見られていたのだろうか。
心臓が跳ねた。
「そう、浮気だ」
「なんでだよ」
少し間を置いて聞いた。
彼の発言は、何かと心臓に悪い。
するとケントは僕のポケットからケータイを漁りだした。
難なく見つけると、暗証番号もすいすいと開けツイッターを開く。
そして、昨夜ツイッターに上げた、BL写真集のサンプル写真を僕に突きつけてきた。
「ハルがこんなハレンチなことするなんて。…はあ、お母さん辛いわ」
大袈裟な身振りもつけて、ため息をつく彼。
「ケントから産まれた覚えないんだけど…」
ほっとした。
と、同時に彼の冗談に笑みが零れる。
「だから!お前は泉の彼女だろ!自覚しろよ!」
冗談交じりに真剣に訴えてくるケント。
彼女ってなんだよ。
「バカ!彼女じゃないし!」
反論しながらも、口元が少し緩む。
ホントはちょっと嬉しいから。
「なあ、泉ー。お前もなんか言ってやれよー」
僕は目線を室内に向ける。
レンはカメラの手入れをしていた。
「嫉妬しちゃうね」
穏やかに、手元をカメラを覗きながらケラケラと笑うレン。
「って言われてんぞ、ハル」
彼にとっては、たわいも無い言葉なんだろうけど。
でも、僕にとったら一喜一憂なんだよ…って。
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