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独占欲にしおりをはさみました!
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独占欲
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(キヨフジ付き合ってます)
*****
フジと付き合って1年とちょっと。
最初の半年は、慣れないながらも恋人として手をつないだりキスをしたりそれ以上のこともやってきた。
それは最近ももちろん、恋人らしいことはしている。
付き合い出した頃より今の方が断然フジのことが好きだし。
だけど俺にはこいつ、フジに対して一つだけ不満がある。
フジはガードが甘い。
そう。フジは気づいていないのかもしれないが、フジは女にも男にもモテる。
優しいし、顔も整ってる方だし、気も使えるいい奴だ。モテないはずがない。
恋人がモテるのは俺としては誇らしいが多少複雑でもある。でもまあ、一方的にモテてるだけなら許せるんだ。
でも、
フジは他人から寄せられる好意に疎いから、たまにフジを本気で狙ってる奴に対してまで安易に近づいてしまう。
俺はそんな鈍感なフジに対してイライラしてしまうし、フジが他人と仲良くしているのを見ると、どうにも腹の底からモヤモヤとした感情が湧き上がってくる。
フジは俺のなのに。
どうしてお前は俺以外の奴にまで笑顔を振りまくんだ。
フジを閉じ込めて、俺しか見れなくしてしまいたい。
フジの隅々まで、俺しか知らなくていい。
そんな黒い感情が最近は常に付き纏う。
付き合う前も、付き合い出した最初の頃も、フジが他人といる所を見ても平気だった。
だけど今は、フジが俺の方を見ていないというだけでもココロが落ち着かない。
もちろん、フジに行動を注意することもあったが、フジは無意識に他人に甘いため効果はなかった。
俺はそれでもフジに嫌われたくなかったから、爆発しそうな感情を抑えて今までやってきたんだ。
でも、
もう、
限界。
*****
フ「レトさ〜ん、はい、あ〜ん」
俺、フジ、レトさん、うっしーの4人で飲みに来た。
フジは飲むとすぐ酔うタイプで、飲み始めて早々にできあがっている。
レ「もおー、フジ君酔いすぎやで。でもまあ、あーん」
フジが差し出した食べ物をレトさんが食べる。
俺はこの時点でだいぶイライラしていたが、久しぶりの4人での集まりだったし、空気を悪くしてはいけないと思ってただ酒を煽っていた。
レトさんも、うっしーも、俺達が付き合っていることは知っている。
フジは横にいる俺のことなんて一切気にせず、真正面に座っているレトさんにばかり話しかけていた。
レトさんもだいぶ酔ってるから俺がイライラしているのに気づいていないのだろう。フジが甘えてくるのを拒否しない。
牛「キヨ。大丈夫か?」
俺の正面にいるうっしーが俺にだけ聞こえるように小声で話しかけてきた。
多分、俺の機嫌に気づいて心配してくれてるんだと思う。
キ「まあ、ここにフジを連れてくる前にも予想出来てたから。大丈夫」
本当は大丈夫じゃないけど。
もうフジとレトさんのやり取りを見ていたくなかったので、俺はうっしーと話すことに集中することにした。
うっしーは喋るのが上手いから、だんだんと俺も楽しくなってきて、2人で笑いながら会話する。
ふと横を見ると、フジが無表情で俺のことを見ているのに気がついた。
でも俺と目が合うと、直ぐにレトさんの方を向いてレトさんに甘えだす。
…なんなんだいったい。
俺はフジの態度に少しムカついたので無視してうっしーとゲームの話しで盛り上がっていた。
すると突然フジが席を立ち、うっしーと席を交換したいと言い出した。
俺等3人が何を言う暇もなく、うっしーは強制的に俺の隣へ、フジはレトさんの隣へ移動していた。
席を入れ替えたことによって、フジとレトさんが話している姿が嫌でも目に入るようになってしまった。
フジはレトさんが横になったことで、さっきよりもレトさんにベタベタと触るようになり、俺のイライラは限界まで来ていた。
牛「おい、フジ…そろそろレトさんを解放してやれよ」
うっしーが見かねてフジをレトさんから離そうとする。
フ「や!レトさんともっと喋りたいの!」
そういってフジはレトさんに思いっきり抱きついた。
俺の中でプツンッと何かが切れる音がした。
キ「フジ。帰んぞ」
フジの手を取り、俺とフジの分のお金を置いて2人にごめんと謝って店から出た。
フジが何か不満そうにいろいろ話しかけてくるけど、もう俺は聞いている余裕もなかった。
俺の家に着き、フジの腕を引っ張ってベッドにほおり投げる。そして横になったフジの上に素早く回り、両手をフジの顔の横について逃げられなくした。
フ「き、よ…?」
フジが不安そうに見上げてくる。
キ「お前、俺が何で怒ってるのか分かる?」
フ「へっ、…分からな」
言葉を遮って噛み付くようなキスをする。びっくりしてフジが口を開けた瞬間に舌を差し込み、フジの唇をむさぼる。
フ「ふっんん、はぁ…ん、んっ、ッ、き、よ、待っ」
気がつくとフジは泣いていた。
俺は口を離す。
フ「きよ、なん、か怖い…なん、でぇ…?グスッ」
キ「…お前がレトさんにばっかり喋るから。レトさんに抱きつくから。俺、フジが俺以外の奴と仲良くしてんの見るの、すっげーやだ」
そういって、フジの白い肌がちらつく首に口付け、思いっきり吸う。俺のものだ、っていう印。フジの肌に俺がつけた跡が残るのに満足して、何度も何度も吸い付いた。
キ「お前は俺のもんだから。俺以外の奴に簡単に触らせてんじゃねー。お前も俺以外の奴に触んじゃねぇ」
フ「キヨ、それって、俺とレトさんに妬いたってこと…?」
キ「…あーそうだよ」
友達に嫉妬したことが恥ずかしくて顔を背ける。俺絶対今顔が赤くなってる。
フ「へへっ、そっかぁ。そうだったんだ」
キ「…なに笑ってんだよ」
さっきまで泣いていたというのにフジは嬉しそうに笑い出した。
フ「だって…俺、キヨにヤキモチ焼いてほしくて、わざといつもよりレトさんに甘えてたんだもん」
フジが衝撃的なことを言い出した。
キ「はぁ!?!?」
フ「俺、キヨが全然ヤキモチ焼いてくれてないって思って。俺とレトさんが話してても、キヨは平気そうにうっしーと話してるんだもん。逆に俺の方が嫉妬しちゃって、キヨの目の前でわざ
とレトさんに抱きついたりしてた」
つまり、俺に嫉妬して欲しくてわざとレトさんに…?
キ「はぁ…お前馬鹿だろ」
フ「んなぁ!?!?だってキヨ全然妬いてくれないから…俺のことなんてもう好きじゃないのかもって思って…」
キ「ばっか!俺はなぁ、お前に嫌われたくなくて隠してただけで、ずっとお前とレトさんにイライラしてたの!てか、今日だけじゃなくて、お前が他のやつといるだけでも嫉妬しちまうんだからな」
フ「へ…?キヨ嫉妬してくれてたの…?俺だけじゃなかったんだぁ…」
フジは目を丸くして意外そうに言った。てか、
キ「"俺だけじゃない"って…?」
フ「うん。俺もね、キヨが俺以外といるとモヤモヤしちゃうの。キヨが可愛い女の子と喋ってたら、キヨは俺よりその子の方がいいんじゃないかって不安になる」
なにそれ…フジが嫉妬してるなんて思ってもみなかった。
可愛いし、嬉しい。
キ「安心しろ。俺はフジ以外興味ねーから」
そういってフジを抱き締める。さっき手荒くしてしまったことを反省して、優しく壊れ物を扱うように顔に手を添え、触れるだけのキスをした。
キ「フジ。俺だけを見て。俺しか好きにならないで。ずっと俺の隣にいろ…」
フ「うん。キヨ、キヨもだよ?キヨの隣にいるのは俺だけなんだからね?ずっとずっと俺だけがキヨのものなんだから」
フジは静かに涙を流していた。キラキラ光りながらフジの頬を濡らす。その光景がとても綺麗で。
ここ最近、フジのことで不安だらけだったけど、今はとても幸せだ。
俺はフジをもう泣かせないことを心に誓いながら、その夜はフジを腕のなかに閉じ込めて寝た。
朝、先に起きてフジの首の後ろにキスマークを落としたのは、俺の最後の独占欲。
*****
嫉妬ネタ大好きです。
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