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第6話にしおりをはさみました!
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第6話
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王様は悩み悩みぬいた末に少し強引な手を使おうと思いました。それはある種、脅迫に近い方法でした。そんな方法しか思いつかないほど王様は心が追い詰められていたのです。
王様はある日、国で1番よく切れる剣をもって「或る人」の家に向かいました。王様は剣で「或る人」を脅してでも真実を聞き出そうと思ったのです。本当のところ、王様はまだ「或る人」を信じていました。きっと妻がいるというのは嘘だろう、と。そのことを聞き出し、その場でプロポーズしよう、とも思っていました。しかし人々にそのことを悟られて万が一「或る人」にそのことが伝われば脅しにならない。王様はそう思い、人々にどこに行くのかと尋ねられると
「或る人」を殺しにいくのだ
と答えるようにしました。プロポーズした後のことを考えて王様は久しぶりに笑顔になりました。
家来や貴族達は王様を見て恐れました。みんな王様の言うことを鵜呑みにしたのです。また、彼らには久しぶりに見る王様の笑顔はとても不気味で以前のような朗らかな笑顔とは一線を画すものに見えました。
王様は本当に「或る人」を殺すのか、
まことしやかにお城で囁かれていた噂は本当だったのだ!
と貴族達はざわめきました。一部の貴族は大臣達を呼び指示を仰ぎました。また、一部の家来達は王様が「或る人」を殺さないよう、直前で取り抑えようと王様を追いました。
王様は「或る人」の屋敷の前に着くとドアを開けようとしました。しかしビクともしません。内側では「或る人」と親しい貴族達が噂を聞き、精一杯押さえつけていました。すでに「或る人」のお屋敷の使用人達は逃げ出していました。王様は中にいる貴族達にドア越しに
邪魔をする者は容赦なく殺す!
と宣言しました。貴族達はもっと強くドアを抑えました。
しかし、怒り狂った王様はドアを少し、また少しと徐々にこじ開け始めました。中の貴族達が、もうだめだ、と思った時、将軍達が兵士を大勢連れてやってきました。
兵士達は将軍の命令に従い"さすまた"で王様を捉えました。王様は泣きながら
離せ!どけ!邪魔をするんじゃない、裏切り者どもめ!
と力いっぱい叫びました。将軍は王様を持ってきた馬車に乗せ、お城に走りました。
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