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第10話にしおりをはさみました!
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第10話
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それから1年の月日が経ちました。
王様はすっかり農村の領主として定着し、村人たちに愛されていました。
「或る人」は悪の大王として国民にますます嫌われました。
しかし王様はそのことを知りません。家来達が村中に中央のことは決して持ち込むなと厳命していたのです。ただでさえ、中央から山3つ川2本越えた、山あいの小さな村です。ここまでされたら全く中央の情報は入ってきません。
とても平和でのどかな日々でした。
しかし、ある日のことです。「或る人」にクビにされた大臣の1人が馬に乗ってやってきました。家来は大臣を村の入り口で止め、どうしたのか尋ねました。本当は何があっても村に一切近寄ってはならない決まりでした。
しかし大臣は声を荒らげながら言いました。
それどころではない!革命が起きた!革命が起きたのだ!
新国王と貴族達に対して市民が革命を起こしたのです。
市民達は王様の頃とは比べ物にならないくらい重い税を課せられ、飢えに苦しみ、挙句数百人規模の餓死者が出ました。しかし、王様の頃のような施しは1度もなく、パン1つすら分けてもらえませんでした。街はすっかり荒れ果て、人々はボロ衣を着て過ごしました。
新国王と貴族達は豪華絢爛な暮らしをしていました。お金持ちの商人達は貴族達に取り入って、一緒になって贅沢な暮らしを送っていました。
生き残るためには新国王のペットの残飯を食べなければならない、と言われるほどでした。
市民が革命を起こすと、お城を警備していた兵士達も一緒に暴動を起こしました。貴族達に毎日毎日馬鹿にされていて我慢の限界でした。
特に将軍たちは「或る人」を始め、1代で不当に成り上がった貴族や商人達に馬鹿にされていました。将軍たちは代々国を護ってきた(大半の祖先は戦死を遂げている)由緒正しいお家柄の方ばかりで、プライドをズタズタにされていたのです。
貴族達はお城の門を閉めて立てこもりました。幸運にも、武器や食料は山のようにあるはずですから。
しかし、武器も食料も全て兵士が持っていきました。
かつて「或る人」がそうしたように。
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