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約束にしおりをはさみました!
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約束
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険悪な2人を置いて、逃げるように学校を後にした。
あれから、礼央とはまともに話をしてない、家に帰ってきても、僕の家に来なくなったし、学校でも話さない。
当然、礼央の帰りを待つこともなくなった。
礼央はもともと僕以外にも友達が多かったから、僕と以外と一緒にいる時間が増えて、僕は忠と大抵の時間を過ごした。
いつも三人で行動していたのが一人抜けたことで驚くぐらい違和感があった?
「なぁお前らいつ仲直りするの?ぜんぜん話してなくね?」
その違和感に忠も気づいている。
でも、別に喧嘩したわけでもなければ、なんで礼央が急に僕と距離を置いたのかわからない。
だから、仲直りのしようがない。
『そのうち仲直りするよ』
礼央との距離は開く一方だけど、逆に真壁との距離はどんどん縮まっていった。
ローカですれ違うたびに話をするし、真壁と話していると笑顔が増えたような気がする。
俺の前で笑わなくなったよな
そういえば、あの日礼央にこう言われた。
礼央の前で笑わなくなったというより、笑えなくなったの方が正しいけど
もしかしたら礼央はそれで怒っているんだろうか。
「真琴!」
移動教室でローカを歩いていたら後ろから僕を呼ぶ声がした。
振り返らなくても誰だかわかる。
『なに、真壁』
「来月テストじゃん?今のうちにわからないところ聴いとこうと思って」
『ああそう、じゃあまた部活終わるまで待ってるよ』
真壁はびっくりするくらい真面目になった
女の噂も滅多に聞かなくなったし、たまに授業でわからないところがあると聞きにくる。
その度に僕は真壁が部活が終わるのを待って真壁の家で勉強を教え、家まで送ってもらう。
女じゃないんだから送らなくてもいいと断ったが真壁は絶対に家の前まで送ってくれた。
初めて勉強を教えてくれと家に呼ばれた時はあの時のことを思い出して躊躇したけど、肌を重ねたのはあの一回のみで本当に今は友達みたいだ。
真面目になったのはいいことだ。いいことなんだけど、なんだか最近のあいつは
「焦ってるって感じだな」
隣にいた忠が呟いた。
「お前と帰る日以外、いつも自主練してるぞ。正直やりすぎなぐらいな。何をそんなに焦ってんだか」
確かに最近の真壁は何か焦っている。
子供が早く大人になりたいと思うような感じに似ている。
「てか、いつも自主練しない日真琴と帰ってたんだな。ふらっといなくなるからどこに行ったのかと思ってた」
『図書室まで迎えにきてくれるんだよ』
真壁はまるで大切な彼女を扱うような感覚で僕に接してくる。
礼央先輩を好きなままでいいから付き合わないかと言われて、了承したわけでも拒んだわけでもない。
それでも真壁からのキスを拒否しなかったのだから付き合っている、、、、
のだろうか。
真壁と僕の関係はとても曖昧だ。
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「真琴のクラスって文化祭何やるの?」
真壁の家で勉強を教えていると、真壁が僕に勉強とは関係ない質問をしてきた。
僕らの学校は3年生の受験の邪魔しないように上半期に文化祭、体育祭が行われる
1日目が文化祭、2日目が体育祭、そして、体育祭の日の夜が後夜祭で花火まで上がる。
『まだ決まってないけど多分展示だよ。パフォーマンスとか屋台はめんどくさいって人が多いから』
演劇やダンスは練習、小道具作りで時間がかかるし、屋台は当日交代で働かないといけないから面倒だ。
それが文化祭らしいとも思うけど、3年で受験を控えているし、特に僕のクラスは面倒くさいことを嫌う人が多いようだ。
「じゃあ体育祭は?」
『えー、まだ全然決まったないけど、個人種目は運動部かがやるだろうし、そんなに目立たないやつがいいな』
文化祭、体育祭が終わったら、もう本当に受験一本だな。
『真壁のクラスは何やるの?』
「喫茶店」
『へー、じゃあ行くからサービスしてよ』
なんて、真壁が真面目に文化祭やるわけないか。
こいつのことだ。
きっと当日サボるか、どこかに隠れるか
「いいよ。俺ほとんど働かされてるし」
『え!文化祭でるの!?』
自分でサービスしろと言っときながら、真壁が文化祭に出ることに驚いてしまった。
「礼央先輩だったら進んでやるんだろうと思って」
『え?なに?』
真壁が何か言った気がしたけど、声が小さすぎでよく聞こえなかった。
「別に。文化祭当日待ってるよ」
『絶対行くよ、忠と一緒に!』
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