アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
戸惑いにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
戸惑い
-
〜お昼休み〜
「なに、喧嘩?」
「喧嘩…じゃないよ」
そう答えると、「へぇぇぇぇ」と言いながら
紙パックのジュースを音を立てて盛大に飲むゼン
そう、喧嘩とか
そんなんじゃない
そう、信じたい
「それも、一理あるかもだけど〜…
最近シュン元気ないんだよねぇ」
「「!?」」
どこから、湧いて出てきたのか、いつのまにか
ルイがゼンの隣に座り、パスタを巻いていた。
ゼンなんて驚いてジュースが変なところに
入ったのか、盛大にむせていた
「元気ない、って…?」
咳き込むゼンを横目にルイに聞く
「ここ1週間かなぁ…先週の土曜日くらい…
話しかけても上の空って感じで〜、たまにすごく
悲しそうな目をしてるんだぁ」
「ゴッホ…珍しくなーい?シュンちゃんって
感情を表に出さない子じゃん。
エリック心当たりなーいの?」
先週の…土曜日
シュンが雨に濡れて帰ってきて
珍しく甘えてきたシュンを…抱いた
その日から?
「…俺もなんかシュンに避けられてる
気がするんだ」
「シュンちゃんがぁ?エリックを?」
ゼンは、ありえないという顔をするけど、
ルイは眉間に皺を寄せて、口をしぼませていた
「実は…」
廊下で声を掛けても一言、よくて二言何か言うだけ
この廊下を歩いていたシュンを捕まえて
話をしようとしたら何故かはぐらかされ
さっさと授業にいってしまったこと
用事があったから話しかけたらシュンが
メール画面を凝視していて、背後から声を
かけたら「後にしろ」と何故かすごい怒られたこと
「なんか…初めてあった時のシュンみたい…」
俺の話を聞いてポツリと悲しそうに言うルイ
初めて会った…半年前
誰に対しても敵意剥き出しで、絶対に隙を
みせないよう常に周りを警戒していたシュン
一匹狼という言葉が合うような存在
「…とりあえず、シュンちゃんに聞いてみる
しかないんじゃないの?結局俺らで
うだうだしててもしょうがないでしょー。
わからなかったら聞いてみなきゃ。
エリック、お前恋人ならしっかりしろよなー」
「そうだね…え、何?」
「恋人。お前とシュンちゃん」
サラリと何食わぬ顔で言うゼン 。
実は、2人には俺達のことは言ってないし
シュンに絶対言うなと口止めされていた
「な、なんで知って「わかるよぉ…」
「だって、シュンがエリックと喋ってる時
すごく嬉しそうだもん〜」
最近は喋ってる所すらみないけどねぇと
嫌味のように付け足すルイ。
「オレ達といる時と雰囲気違うんだよなぁ
シュンちゃん。お前といると、よく笑ってる」
「そう…なの?」
全然そんなこと気づかなかった
現状だと嬉しいような、悲しいような
複雑な気持ちだけど
「本当に、急にこんな風になっちゃったけれど…」
「…とりあえず、何かあったのか聞けばー?
お前得意じゃん『お節介』」
ニヤッとしながら席を立つゼンとそれに続くルイ
「んじゃあ、オレら午後1からテストだから。
パティシエ学科は次空くっしょ?」
「うん、頑張ってね。」
お節介
それができれば、1番楽だけどなぁ…
「できないんだよねぇ…」
頬杖をつき、窓の外を見るとどんよりとした
曇り空だった
まるで今の俺の心みたい
遠くに、カランカランと
鐘を鳴らす音が聞こえる
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
131 / 232