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18歳以上ですか?
6にしおりをはさみました!
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6
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その瞬間、大きな手が近付いて俺の前髪を掴んだ。
頭がグルンと力任せに引っ張られると床へ落ちていく。
ゴン、なんて鈍い音が聞こえた後に床へ頭を打ち付けられたのだとすぐに気付いた。
「ぅ"、っ…」
「憂くん。悪いことはしていいの?」
「…駄目、です…」
「そうだね。」
また床へ頭が打ち付けられる。
何度も、何度も。
意識が朦朧としてくる。
あぁ このまま死ねるならもうそれでもいいかもしれない。
何か残してきたたくさんの思い出も死ねば消えてしまうから。
「両手を前に出して。」
「は、い……っ…」
「…いい子になるようにお仕置きするからね。」
「え……?」
「時間をかけて、君がいい子になるようにしてあげる。昔みたいに。昔みたいに、…いい子になるように。」
昔、みたいに?
「っぃ、…嫌、…殺し、て…お願い、殺して…っ…」
「憂くん。」
ドスン、とお腹が凹んだような気がした。
視線を落とすと俺の腹に落ちた拳。
それから怒ったような顔が俺を睨みつけると、低い声が聞こえた。
「お前は、殺す価値もない。」
忘れてた。
そうだ、俺は そんな人間だった。
あぁ。
本当に記憶が脆い 駄目だな。
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