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成田～腐二次創作弱虫ペダル金荒、ひろたすにしおりをはさみました!
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成田～腐二次創作弱虫ペダル金荒、ひろたす
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大谷選手は立ち寄りとかあって、成田から出国することがわかった。
たすくもひろも見送りにいくに違いない。
行くなって言っても行くだろう。
田所が会社のバンで送ってくれるというので、やっかいをかけることにした。
荒北と輝(ひかり)は今回はお留守番だ。
未明に立ち寄ってくれた田所の車で出発する。
双子は初めてではないのに、バンの中にたちこめる、やきたてパンの香りがたのしいらしく、しきりにクンクンやっている。
パンすきか？
すきー！
ひろが即答する。
おれはごはんと半々だな。
たすくはだんだんなまいきになってきている。
田所がガハハと笑う。
食パン残してある。
帰り持ってけ。
わあっ！！
この「わあ！！」は完全に揃っていた。
空港についた。
記者やらファンやらでごったがえしている。
ふつうの渡航者がちょっと迷惑そうだ。
たすくもひろもおし黙った。
見れそうなとこ行かねえのか？
田所の問いに、首を横に振る。
俺の自慢のガキども。
ラウンジでクリソでも飲むか？
俺が言うと、
飲む！
元気な声で二人が返事する。
ガッカリしてるだろうに…
ラウンジも満杯だった。
見るからにミーハーな大人やら少女やら。
来たぞ！
どこからともなく声がかかると、わーっとラウンジが空になった。
すげえな。
奥端の方の席に、田所がドカッと腰を下ろす。
クリソ！
クリソ！ おれ赤ね！
双子でも微妙に違う二人がいとしい。
そこに意外な人物が来た。
君らが噂の双子ファンかい？
目を上げると、変装バリバリだけど誰かはわかった。
K宮…K太郎！
シッ。
でかい声出すと大谷さんからのコレ渡さねーぞ。
差し出されたものは手紙だった。
オッス双子ちゃん。
きっと来てると信じてる。
人だかりの中でなく、ラウンジとかフロアのはなれたところとかに居る気がしてる。
K宮もみつけられないかもしれないが、とりあえず手紙をたくしてみる。
日ハム抜けてごめんな。
アメリカで大活躍してくっから、それで許してくれ。
いつも応援ありがとう。
いちばんつらいときに声かけてくれた、そのこと一生忘れない。
O
オーとだけ記された署名が、なかなかにカッコよかった。
K宮さんありがとう。
ひろがていねいに礼を言う。
これからは俺のことも応援してくれな？
じょうだんぽくK宮は言ったが、ひろたすはにっこり笑っただけだった。
帰りの車中、ひろたすはとてもおとなしかった。
特に絶対おとなしくならない筈のたすくが黙っている。
あるサービスエリアで、田所とひろがトイレに行ったとき、ついにたすくは切り出した。
真父。
俺真父に力借りたいことあんだ。
来たか。
内容は想像がついていたが、あえてこちらからは問わず、たすくが言い出すのを待った。
俺とひろは総北に行く。
ひろは自転車競技部に入る。
ただ俺は
ここでー呼吸おいた。
野球やりたいんだ。
俺は驚かない。
千葉リトルの監督が、小学校のときから二人を欲しがってた。
特にたすくを。
やすともが厭がるから二人は野球に行こうとしなかった。
でも俺は知っていた。
キャッチボールしてるだけで、二人は満面の笑みになる。
特にたすくは野球が好きで好きでしょうがないのだ。
高校の三年間だけでいいから自分を試したい。
俺は結果も出せると信じてる。
ただやす父ちゃんは野球憎んでる。
俺のこと、きっと怒る。
怒られても俺、そうするって決めてる。
だから真父は、黙って、俺がやられるのみててくれないか？
大きくなった。
本当に。
水槽の中でふにゃふにゃしてた胎児が、父親(の一人)と戦おうとしているのだ。
目頭が熱くなった。
わかった。思うとおりにやってみろ。
厳しい戦いになるだろう。
でも、こいつはやり抜くだろう。
やすともは、もいちど勇気を出すだけでいい。
たすくを信じてやってくれ。
やすとも。
車が千葉に着いたら戦いが始まる。
やすとも。
たすく。
男と男の戦いだ。
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