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CHAPTER8
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それから2日か3日が経った頃、元気を取り戻したニコラスはルーイと再び遊びに出掛けた。2、3日会わないだけでここまで会うのが久々だと思ったのは2人とも初めてだった。
「もういいの?具合悪くないの?」
「ああ、もう平気。その…俺のこと、まだ嫌いじゃない…よな…?」
「…?なんでいきなり僕がニコラスを嫌いになるの?友達として好きだよ」
ただ嫌われてないか確かめただけだが、ルーイの言葉は刃物のように鋭かった。
『友達として好き』という言葉をニコラスはこれまで何度も聞いてきた。だがそれがいつまで続くのか、彼は分かっていた。
「俺も…『友達として好き』だよ」
「うん…?ニコラス、何か悩んでることでもあるの?」
「いや、大丈夫。ただお前に嫌われてないか不安で…」
「あ…」
ルーイは先日2人がお互いにぶつかり合ったことを思い出し、ようやくニコラスが何故悩んでいるのかが分かったのか、その時と同じようにニコラスの手を取った。
「ごめん、僕あの時ニコラスに嫌な想いさせたよね」
「…っ!」
ニコラスは驚き、慌てて手を引っ込もうとしたが、ルーイはそれを離さなかった。ニコラスは自身の顔が徐々に赤くなっていくのを感じ、見られてはならないとすぐに俯いた。急な出来事で鼓動は早くなり、息も少し荒くなった。
「ほんと、ごめん…」
「い、いや!お、俺も…ごめん…だからその、離して…!」
「う、うん」
ルーイはそう言われると、すぐにニコラスの手を離した。ニコラスは荒くなった息を整え、ルーイに「ありがとう」とだけ言って川が流れている方へ歩いた。ルーイもそれについて行くと、「川遊びしよう」とニコラスが言った。もちろんルーイは「うん」と答え、2人はその後川で水浴びをした。
水浴びをした後、2人は草があるところで寝転がって体を休めた。2人とも考え事をしているのか黙っていると、ルーイが言葉を発した。
「…僕、マーシュリーに電話をかけたんだ」
「え?」
ニコラスは一瞬、自分は夢でも見ているのかと考えた。だが夢ではなかった。ルーイは少しでも、マーシュリーのことを気になったのだ。
「ど、どうして…」
「…彼女綺麗だし、優しいし…」
ルーイは夢を見ているかのような目を色んなところに泳がせて、彼女のことを想像して言った。そんな彼の姿を見たニコラスは、嫉妬と悲しみで今でも泣きそうな顔をしていた。ルーイはしばらく目を泳がせた後、ニコラスの方を向き、彼の泣きそうな顔を見て固まった。すると彼は心配して「どうしたの?」と距離を詰めた。
「また…具合悪い…?」
「ち、違う…その…目にゴミが入って…」
ニコラスが必死に感情を隠そうと目を擦っていると、「そう…」と不安そうなルーイの声が聞こえた。本当は違うのに。本当はルーイのことを想っていて、マーシュリーには渡したくないのに。もしマーシュリーなんかと関われば…。
「…マーシュリーは不良だ。あんなやつとお前を会わせたくない」
「でも…優しかったよ、僕が電話した時は。すごく親切だったし…」
「お前はまだあいつのことをちっとも分かってないからそんなことが言えるんだ!」
「なっ…」
ニコラスは自分の感情をコントロールできず、ルーイに怒鳴った。我に返った彼は「はっ…」となり、ルーイの方を恐る恐る見た。ルーイはニコラスに今にも「どうして?」と言い出しそうな目を向けていた。
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