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18歳以上ですか?
9にしおりをはさみました!
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9
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「お前、友達いたんだね」
「どういう意味よ!」
「いや、表面上の付き合いばっかりで、こんな黒いこと一緒にやる友達がいるとは思わなかった。でも全然羨ましくない」
「それ俺に対して失礼!」
おずおずと由正が口を挟む。
「……軽蔑、しました?」
「した。篩にかけるなんて、何様のつもり。人間、いいところばっかりなわけないじゃん」
言いながら矛盾に気づく。
由正の一面だけを見て、神だと期待したのは息吹だ。
それでも悲しかったのは。
「あんた、俺も篩にかけたの?」
目は口程に物を言うとはよく出来た言葉だ。
ああ、今日は夕食に縁がない。
立て替えたお金で、息吹の焼肉代くらい出るだろう。
由正の制止の声を振り切り、息吹は店を出た。
「あー……勿体ない」
お金も、由正と白川との縁も。
外食2回分あったら、昼ご飯2週間分になるのに。
その日、息吹は自分が女性と普通に話せることと、自分が傷つきやすいことを知った。
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