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「お前の元カノなら御免だよ」
「ちがうって! 俺、そんなに信用ないー?」
「自分が何したか思い出せ」
喉の奥で笑いを殺したような明るい声が鼓膜を叩く。
「息吹、中学のときよりもいい奴になったからさ。幸せになってほしいんだよ」
「大きなお世話……」
ゲイを理由に、見ないようにしていた。
息吹自身の結婚。
理屈っぽい由正の顔が脳裏を過ぎる。
無意識のうちに選択肢を狭めてはいなかったか。
もしここでその意思を見せたら、由正は喜ぶ気がする。
「で、どうよ。見合い」
「……ぜひ」
「息吹……」
その代わりに、また、失恋するんだけどね。
「お前のこと、友達って思ってもいい?」
電話の向こうから、困ったような情けない声が届く。
「俺はとおっくに、息吹の友達だと思ってたんだけどねえ?」
「そう。切るね」
「え?」
気恥ずかしくて、通話を切った。
*****
見合いの日程が決まり、悩んだ。
友達を望んだのが息吹なら、終わらせるのも息吹でいいはずだ。
考えてみれば普通に由正を誘うのは初めてだ。
これが最後だけど。
最初に出会った居酒屋で、全ては終わる。
「あのさ。今日で会うの、最後にしてくれない?」
由正の表情が凍った。
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