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由正。
俺の神様。
これが俺の選択です。
あなたの幸せを祈っているだけなんです。
「あんたには、本当に感謝してる。俺の抱えている秘密は、俺が思うほど秘密じゃないのかも、なんて思えたし。ゲイでもいいやって思えたし……。俺、本当に、楽になれた。でもあんたさ……自由なようで、窮屈な人だよ。俺のことは自由にできたのに」
「僕のこと、嫌いですか」
「そういうことじゃない……。付き合えるか付き合えないか、なんだよ。あんたは無理」
「僕の名前を呼んでください」
「決めるのは俺だよ」
思い出を、価値観をくれた人に、とびきりの敬意と愛情を込めて、息吹は笑う。
「どうぞ、素敵な恋をしてください」
*****
見合いのある週の月曜に由正から連絡が入った。
今度の金曜日、合コンした居酒屋の前で待っています。
最後に一度だけ、会いたいです。
――俺も、会いたいよ。
返事はせずに、眠った。
*****
11時、ホテルのロビーに白川はいた。
横に見覚えのある女性をつれて。
合コンの日、美沙を宥めていたその女性の名を、思い出すことができない。
「山岡息吹です。えっと……すみません、お名前を失念してしまいました」
「笹原常葉です。まあ、覚えてないでしょうね」
「すみません……」
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