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18歳以上ですか?
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「うーん」
「燕羽、何探してんの?」
「あっ、翔」
キッチンで探し物をしていると、翔に声を掛けられた
「野菜が欲しいんだけど、どこにも無くて」
「ああ、今から採りに行くか?」
「採りに・・・行く?」
「行くぞ」
「うん」
畑でもあるのかな?
外に出て屋敷の裏に周ると馬小屋があった
「ま、まさか馬で?」
「別に歩いてもいいけど2時間はかかるぞ」
「馬でお願いします」
「オッケー」
「あのあの!」
「何だよ」
「俺、馬に乗れない」
「じゃ、俺の馬に乗れ」
「あのあの!」
「今度は何?」
「どうやって馬に?」
「はぁ・・・ほら」
「翔の手に足なんか乗せられないよ」
「いいから早くしろ」
「わかった」
翔の出した手に足をかけて馬に乗る事が出来た
「高い・・・」
「すぐ慣れる、行くぞ」
「うん」
何だか翔が王子様に見えた
後ろに乗っている翔が手綱を握って馬を走らせた
「は、はやい」
「すぐ慣れるから鞍に掴まっていろ」
「わかった」
馬ってすごく温かい
だけど、お尻が痛い
「綺麗・・・すごくいい所だね」
「だろ?」
「幸せ・・・こんな景色が見れるなんて」
「大袈裟だよ」
だってホントなんだもん
翔達と知り合わなければこんな景色も見る事は無かったんだ
「せっかくだから砂浜を走るぞ」
「うん!」
何となく馬にも慣れて来た
ふと、後ろを振り向くと翔の顔が見えた
すごく綺麗で髪の毛が太陽の陽射しで金色に輝いていた
「何?」
「なんでもなーい」
「変な奴、前を向いていないと落ちるぞ」
「うん」
そして優しい
最初は怖いイメージだったけど、本当は優しい人なんだ
「あそこだ」
「すごい!畑がある」
驚いた
ビニールハウスまであるし
「養蜂もしているからミツバチには気を付けろよ」
「わかった」
馬から降ろしてもらい背伸びをした
お尻がまだ痛い
「じゃ、俺は温室に居るから好きなだけ野菜を持って来い」
「はーい!」
「すごい畑」
何でも揃ってる
真っ赤に実ったトマトを取り、食べてみた
「甘い!」
籠の中に色々な野菜を入れてしばらく景色を楽しんだ
「さて、翔が待ってる」
温室に向かい、中に入ると綺麗な花が沢山咲いていた
「どこだろう」
意外と広いな
奥に進むと、翔がソファーにもたれて眠っていた
「終わった?」
「びっくりした!寝てたんじゃないの?」
「寝てたけど」
「ん?」
話がかみ合わないけどまぁいいや
「この花はリビングに」
「うん」
綺麗なバラを籠に入れた
「お茶でも飲むか」
「うん」
翔が立ち上がり、どこかに消えた
ソファーに座り、周りを見渡した
きっと、天国はこういう所かもね
「お待たせ」
「ありがとう」
ガラスのティーポットを持って戻って来た
「ハーブティーでいい?」
「うん」
「俺のブレンドだから」
「そうなんだ」
ティーポットの中には花やハーブが入っていた
それを綺麗なカップに注いでくれた
「どうぞ」
「いただきます」
一口飲んで驚いた
「美味しい!」
「当たり前だ」
「あはっ」
甘い香りと爽やかな酸味
何が入ってるのかな
「何してんの?」
「この葉っぱは何かなって」
「レモングラスだ」
「そっか」
「花はジャスミンと桃」
「うんうん」
「後は秘密」
「むぅー」
翔は微笑みながらハーブティーを飲んでいた
きっと・・・きっと冬矢と知り合わなければ100%好きになっていたかも
まっ、俺の片思いで終わるんだろうけどね
ヤバい、翔の周りに蝶の幻覚まで見えて来た
「どうした?」
「ううん、蝶が・・・綺麗な蝶の幻覚が」
「ばーか!本物だ」
「え?」
翔は、蝶にまで好かれる人なんだ
そしてその光景が目に焼き付いてしまった
きっと、こういう絵画とかありそう
今度、探してみよう
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