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学園へにしおりをはさみました!
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学園へ
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朝から溜息しか出ない
また息苦しい場所に戻って来た
「楓、本当に大丈夫?」
「もう平気だよ」
「うん」
楓はほぼ完治していた
燕羽は、戻りたくないと泣いていた
僕だって戻りたくなかった
翔は、どちらでもいいと言っていた
教室に向かう途中、早速楓は声を掛けられていた
「楓、よかった」
「もう大丈夫なの?」
「葵、華、ごめんね」
「何言ってんだよ!お前の体が一番大事だろ」
「そうだよ、楓が一番大事なんだからね」
「ありがとう、でももう大丈夫だから今日からまたスタジオに行くよ」
「無理しなくてもいいって!明日からにしよう」
「そうだよ、昨日戻って来たばかりなんだし」
「わかった、じゃそうする」
「ああ、じゃまたな」
「冴達には連絡しておくね」
「うん」
久しぶりに見る二人は楓の心配をしていた
「いいメンバーだね」
「そうだね」
明日から楓はまたスタジオに行ってしまう
ライブが延期になったから仕方が無いけど寂しい
「繭、スタジオに泊まったりしないから安心してね」
「うん」
「じぁ、また後で」
「またね」
楓と別れた後、生徒会室に向かい書類を確認した
僕がいない間は冬矢が生徒会を管理してくれていた
「さすがだね」
書類も会計も全てやってくれていた
完璧すぎて笑える
「翔、寝るなら仮眠室で」
「さすが繭、いつから気付いてた?」
「最初から」
「そっか」
ソファーに横になっていた翔が体を起こした
「眠そうだけど」
「眠いから今から寝る、繭もいるしこれで安心だ」
「呆れた」
「和海とは会ったか?」
「会っていない」
「そっか、そう言えば楓を呼び出したうさぎを氷龍が見つけ出したけど、どうする?」
「楓と同じ痛みを」
「だと思った、これが犯人だ」
翔に渡されたファイルを読み終え、そのまま燃やした
「今、保健室じゃないか?」
「保健室?」
「さっき向かうのが見えた」
「翔」
「どうせ拳銃だろ?」
「うん」
「気を付けろよ」
「扱いは慣れてる」
「そうだな、じゃ行くか」
「うん」
翔から受け取った拳銃をポケットにしまい、保健室に向かった
ー僕、もう失敗しませんー
ーだから捨てないでー
ーお願いしますー
誰と会話を?
ドアを開けてベッドを確認した
「な、何だよ!」
「今誰と会話を?」
「誰もいないし、何か用?」
窓が開いている
カーテンが風で揺れているのを見ながら外を確認したけど遅かった
「貴方が楓を呼び出したのですか?」
「ああ、そうだよ!」
「誰の命令ですか?」
「誰でもない、お前が気に入らないからだ」
「そうですか、ではお前が全ての罪を背負うのですね」
「何それ?僕はメモをお願いしただけだし」
「笑える、十分同罪です」
話を聞いていた翔がしびれを切らして言った
「お前さ、取り合えずここから出ろ」
「何だよ!やめろ!」
「うるさいよ?」
「お前達になんか誰が従うか!」
「氷龍、やれ」
「やめろー!離せ!!」
胸糞悪い首輪をつけたウサギは氷龍に抱えられ、目立たない裏庭までやって来た
「何?退学にでもするんだろ?」
「退学?馬鹿じゃないですか」
「は?」
「何故、自由にしなければいけないのですか?」
「お前達、僕をどうするつもり?」
「三秒猶予を差し上げます、誰の差し金ですか?」
「僕の考えだよ」
「それは本当ですか?」
「そうだと言ってるだろ!」
多分、黒幕はいるはず
でも、こいつは絶対口を割らないだろう
普通から考えればうさぎが命令を聞く人物は和海しかいない
「では、覚悟して下さい」
「なっ!僕を殺すつもり?」
「殺しはしませんよ、同じ痛みを味わってもらうだけです」
「警察に言うぞ」
「この学園の中は治外法権ですので」
「え?」
拳銃を取り出し、銃口を向けた
「本当に言わないつもりですか?」
「死ね!」
「わかりました」
躊躇う事無く、楓と同じ場所に弾を打ち込んだ
「ぎゃー!」
「このままだと、出血多量で死にますよ」
「お前さ、言っちゃえよ」
「うる・・さい」
頭の悪いウサギは嫌い
「早く言えよ」
「・・・ううっ・・・っ」
「死ぬよ?」
翔が笑いながら顔を覗き込んだ
「へぇ、このうさぎは死にたいんだ」
「・・・・・・嫌だ、僕は・・・ぐはっ!」
翔の頬をかすめた矢が心臓を貫いていた
「やられたな」
「まさかボーガンだとは」
「方向的に、体育館か?」
「もう行ってもいない」
うさぎの口を封じるとはね
「やはり、和海が?」
「わからない」
「ムカつく!」
死んでいるうさぎの首輪を引きちぎり、地面に叩きつけた
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