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「燕羽、そろそろ起きろ」
「んっ・・・うわっ!!」
「何?」
「ごめん、思い切り寝てた」
「だな」
「ホントにごめんね」
「いいよ、降りるぞ」
「うん」
燕羽を起こし漸く目を覚ました
外の景色はいつもとは違い、人が溢れていた
「都会だね」
「何言ってんの?」
「あ、まって!いでっ・・・」
「ほら」
「・・・・・うん」
このままでは迷子になりそうな燕羽の手を繋ぎ、街中を歩いた
「みんなが翔を見てる」
「気にするな」
「翔、誰か来るよ」
「めんどくさっ!」
「君、どこか事務所に?フリーだったら是非」
「俺はフリーじゃないから」
「じゃ、移籍とかは?」
「パパとママに叱られるからごめんね」
「勿体ない、君ならスターになれるのに」
そう言って去って行った
毎回ホントにうざい
「し、翔っ」
「何だよ」
「パパとママって・・・ウケる」
「それが一番手っ取り早いんだよ!笑うな」
「あははっ・・・だって」
「置いて行くぞ」
「ごめんってば!」
「てか、楓達すごいな」
「ホントだ、広告塔には見覚えのある顔がいる」
学園で見る葵さんや華さんとは全然違う
楓さんもすごく綺麗
「街中、ポスターだらけだな」
「ホントに、すごいバンドなんだね」
「だな」
「俺もライブに行ってみたいな」
そう言えば、こいつの事を忘れていた
今はさすがに俺と繭だけで行くとは言えないな
学園に戻ったら繭に聞いてみるか
チケットがあればいいんだけど
「感じのいい店があるから行ってみよう」
「何屋さん?」
「雑貨かな」
「行きたい!」
ライブの服は今度にしよう
こいつも行けたらまた来ればいいしね
「お洒落なお店だね」
「何か欲しいものがあれば言えよ」
「マグカップ、欲しいかも」
「じゃ、選んで」
「一緒に!」
「わかった」
恋人はそう言う物も一緒に選ぶのか
「これは?」
「お前、センス無さすぎ!何だよその模様」
「何だろうね」
ワカメ柄とか普通選ばないだろ
こいつの思考回路が謎だな
「じゃ、これ!」
「いいんじゃない?」
「でしょ?」
今度はレンゲ模様のカップを持って来た
なかなかいい選択だ
「でもさ」
「ん?」
「このカップを使う度に思い出しちゃうね」
「ばーか!」
「あはっ」
その後も、色々買い物もしたし中華を食べに行く事にした
「翔、予約制って書いてあるけど」
「それが?」
「だから予約してないよね」
「行くぞ」
「ええっ?」
「いらっしゃいませ、お待ちしておりました」
「いつもの席とコースで」
「ではご案内いたします」
「翔、予約してくれてたんだ」
「顔パスだ」
「驚いたよー、てかここ超高級店だし」
個室に案内されて、漸く座る事が出来た
「二人なのに、広すぎる個室」
「嫌だった?」
「ううん、嫌じゃない」
「ならよかった」
「翔達ってさ」
「うん」
「本当にお金持ちなんだね」
「それはどうでもいいな」
「だね」
お金持ちだからここに来たわけじゃない
この店はふかひれが美味しいし、デザートもお気に入り
「翔・・・見た事も無いような料理が並んでる」
「温かいうちに食べろ」
「しかも、これって・・・何だろ?」
「ツバメの巣」
「ツバメの巣って!!土じゃないの?」
「お前の仲間の巣だな」
「つばめ・・・燕・・・燕羽・・・うん!」
いいのかそれで?
納得する所が違うような
「ねね、これは?」
「ふかひれ」
「これがふかひれなんだ・・・プルプルで美味しい!」
「それはよかったな」
「うん、たくさん食べたい!」
「気が済むまで食べろ」
「やった!」
そして気が済むまで食べた後、燕羽がメニューを何気なく開いて、驚いていた
「し、し、・・・翔!」
「何?」
「ふかひれ、時価って!なにそれ?」
「気にするな」
「時価・・・調べる!」
「お前、食事中に携帯触る奴?」
「ごめん」
「いいから食べろ」
「うん」
その後、デザートも食べて店を出た
「割り勘で」
「は?」
「だって」
「じゃ、20万でいいぞ」
「ひぃぃ!」
「冗談だよ、ここは彼氏に払わせておけばいいんだよ」
「ありがとう、ご馳走様」
「はい」
ちなみに、お会計は48万
まぁ、安い方か
あれだけ食べてフカヒレとツバメの巣を食べたしね
燕羽が笑顔になれればそれでいい
「海に行こうか」
「行きたい!」
中華街から少し歩けば海が見える
いわゆるデートスポットだな
「カップルが多いね」
「俺達もじゃない?」
「うん」
「この海の向こうには何があるのかな」
「陸だろ?」
「もう!現実的な答えは止めてよ」
「そうだな・・・この海を渡って花が咲き乱れる場所にお前と行きたいな」
「俺も行きたい、翔と一緒ならどこでも行くよ」
「そっか」
「だから・・・」
「だから?」
「ずっと一緒に居てくれる?」
「もちろん」
「嬉しい」
何だか、こいつのお陰で和海への恨みが消えて行くような感じがした
過去より、未来を見て行けば復讐とかどうでもよくなるのかもな
「寒そうだな」
「平気」
「これ着てろ」
「翔が寒いからいい」
「俺はいいんだよ」
午後から天気が悪くなり、気温が急に下がった
半袖の燕羽が寒そうにしていたから、俺のジャケットを肩にかけた
「ありがとう」
「風邪をひくよりマシだ」
「あはは」
燕羽は俺にもたれかかりながら海を見つめていた
「いつか行こうね、お花の国」
「ああ」
「翔の髪、すごく綺麗」
「そうかな」
「瞳の色も不思議な色をしてる、金色なんだね」
「ムカつく事に、和海の瞳の色は銀色」
「そうだね、繭君は黒いのにね」
「あいつは、髪も瞳も真っ黒だな」
「うん、似合ってるよね」
「だな」
「あのさ、翔」
「ん?」
「繭君より俺の方が好き?」
「繭は特別なんだよ、好きとかの次元じゃないし」
「ええっ!愛してるの?」
「馬鹿なのか?」
「だって」
「あいつは運命共同体みたいなものだ」
「難しいね」
「だな、お前は気にするな」
「わかった」
さて、メロンパンも用意出来た頃だな
そろそろ動物園に帰ろうか
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