アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
新たな復讐にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
新たな復讐
-
あっ、翔だ!
忙しそうだけど、声ぐらいかけてもいいよね
「翔、生徒会?」
「ごめん、なるべく早く終わらせるから先に帰ってて」
「わかった、頑張ってね!」
ふふっ
こうやって堂々と声を掛けられるのは恋人の特権だよね
んじゃ、帰ろうかな
「君!」
誰だ?
振り向いて声を掛けて来た人を見つめた
「燕羽君だよね?」
「そうだけど・・・貴方は?」
「そうでした、僕は弓道部の部長をやらせていただいている都築と言う者ですが、予算の資料を提出するのが遅れてしまって」
「誰に?」
「翔君です」
「翔に?」
「はい、届けてもらえないでしょうか?」
「うん、翔も困るだろうし届けるよ」
「じゃ、一緒に資料を取りに来てもらえますか?」
「ここにはないの?」
「ええ、気付いたのがさっきで・・・それに」
「ん?」
「渡し忘れたとなると、怖くて」
「誰が?」
「翔君かな」
「怖いかな」
「僕達にとって生徒会の人間はみなさん怖いです、ミスをすると更に」
本当に顔が怖がってるみたい
可哀想だし、持って行ってあげよう
「わかった、じゃ行こう」
「助かります」
都築と名乗る人に着いて行く事にした
「教室とか寮に忘れたんじゃないの?」
「本当にごめんなさい、弓道場です」
「そうなんだ」
と言うか、弓道場を知らないし結構歩いているような気がする
「どの辺にあるの?」
「もうすぐです、弓道は危険なので意外と遠い場所にあるんです」
危険かな・・・
まぁいいや
あっ、あの塔が見えて来た
と言う事は、結構歩いたんだ
「まだかな」
「僕の役目はここまで、じゃね!裏切者」
「え?どういう・・・うっ」
いきなり後ろから羽交い絞めにされた
ハンカチで口を覆われて、そこから先の記憶は無い
「・・・・・・ここは」
「ようやくお目覚めか?」
「ここは塔の最上階です」
「冬矢・・・和海さんまで、一体どう言う事?」
立ち上がろうとしたら動けなかった
手足を縛られていたから
「どうしてこんな事をするの?」
「どうして?だってお前はもう翔の物だろ?」
「冬矢はわかってくれたんじゃないの?」
「おやおや、困りますよ?翔様をお前みたいな薄汚いうさぎになど相応しくありません」
まさか・・・
「待って、和海さん・・・今、翔様って」
「それが何か?」
「記憶がいつ戻ったんだよ!」
「記憶など最初から失っていませんよ」
「騙したの?」
「ええ、繭にはやられましたけど本当に面白かったです」
「酷いよ!みんな心配してたのに」
「心配などしないでしょ?」
「なんて奴!」
「そんな事はどうでもいいのです」
「・・・・・冬矢も知ってたの?」
「俺は、最近だ」
「最近?」
「ここで知った」
と言う事は、翔と馬で出掛けた日だ
「さぁ、もうおしゃべりはその辺で」
「何をするつもり?」
「私達が遊んであげようかと」
「えっ・・・」
「お前だけでしたね、うさぎのくせに私に反抗ばかりするうさぎは」
「だれがお前なんかと」
「そうですか、ではそのお前なんかの私に犯されると言うのはいかがでしょう」
「ふざけるな!」
「それとも、冬矢がいいですか?」
「断る」
「では、私達で二人で二度と翔様に近付けないようにボロボロにして差し上げます」
「嫌だ!」
どうしたらいい
動けないし、逃げられない
「縛られたままと言うのも冷めますね」
「じゃ、ほどけよ!」
「少しでも逃げようとしたら殺します、いいですね」
「・・・・・・・・・」
「冬矢、ロープを」
「ああ」
体が自由になっても同じ事
どうせ下にも見張りがいるはず
「さぁ、殴られながら犯されたいですか?それとも無理矢理瓶でも入れましょうか」
「どちらもごめんだ!」
立ち上がり、窓に近付いた
「素直に殺されたいようですね」
塔の窓から空を見つめた
あの言い伝えは本当だった
悔しくて涙が零れそうになった
でも、こいつらの前では絶対泣いたりしない
翔・・・・ごめんなさい
今まですごく楽しかった
本当に、ありがとう
俺を好きになってくれてありがとう
お花の国に行きたかったな
そして、二人に言った
「馬鹿じゃない!お前達に殺されたりしない」
「おや」
「よく聞け、自分から死ぬんだ!俺に触れられるのは翔だけ」
「もうわかりましたから、さっさとこちらへ」
「嫌だね!冬矢・・・お前なんか愛した自分が悔しいよ、和海、一生恨んでやる」
そう言い残し、窓から飛び降りた
堕ちて行く瞳に映し出された景色は緑色と翔の笑顔
そして全身の痛みと暗闇だった
「・・・・翔・・・・・・だいす・・・」
「今連絡が入りました、燕羽は死んでいるそうです」
「・・・・・・・・・」
「今更後悔ですか?」
「まさか」
「では戻りましょう」
「ああ」
「死体はそのうち誰かが見つけるでしょう」
「そうだな」
血の海に沈んでいる燕羽を横目にその場から去った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
136 / 169