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学園から離れたボート小屋
そこには誰も近付かない
最近、そこに幽霊が出ると言う噂が立っていた
「翔、どう思う?」
「どうって、和海達だろ」
「うん」
「今度はボート小屋にウサギを飼いだしたと言う事だろうな」
「ダイナマイト使う?」
「いや、まだ泳がせておこう」
「うん・・・翔」
「大丈夫、心配するな」
「わかった」
「今度のうさぎは首輪じゃなくてブレスレットみたいだな」
「趣味悪い」
最近、身に付けている奴らが目に付く
あれは、特注品だからすぐに気付いた
「会長、まだいらっしゃったのですか?」
「もう帰ります」
現れたのは書記の2年
俺達は顔を見合わせて小さく頷いた
「君」
「はい」
「とても素敵なブレスレットですね」
「ありがとうございます」
「それはどこで購入されたのですか?」
「これは・・・プレゼントです」
「そうですか」
「はい」
「ところで、生徒会に用事が?」
「いえ、明かりがついていたので」
「そうでしたか」
「では、失礼します」
「ごきげんよう」
部屋を出て行く姿を確認した後、繭が言った
「聞かれた?」
「いや、大丈夫だろう」
「まさか生徒会にもうさぎがいたとはね」
「後を着けるように氷龍に連絡を」
「ああ」
そして校舎から出て、温室に場所を変えた
「僕がお茶を淹れる」
「いいよ、座っていろ」
燕羽が好きだった紅茶を淹れて、テーブルの上に置いた
「このお茶は」
「燕羽が好きだったな」
「うん」
だめだな、何を見ても思い出してしまう
不思議な顔をしてポットの中を見ていた燕羽は本当に可愛かった
「繭」
「何?」
「お前は明日、ライブに行け」
「でも」
「楓の為にも」
「・・・・・・・・・」
「行かなくても、燕羽は戻って来ないんだから」
「翔は一人で大丈夫?」
「俺は平気、一人は慣れてるしね」
「わかった」
「ああ」
繭達には幸せになって欲しいと心から思う
楽しみにしていたライブだったしね
そして氷龍から連絡が入った
「やはり幽霊の正体はうさぎらしい」
「と言う事はボート小屋にさっきの書記が?」
「みたいだな、あの二人もいたってさ」
「うさぎの発情期は年中」
「お前が言うな」
「あの書記はどうする?」
「たぶん、俺達を見張っているみたいだから暫くは様子見だな」
「わかった」
「もうすぐ繭の誕生日か」
「それで全てが終わる」
「ああ」
「翔はその後どうするの?」
「まだ何も考えていない」
「僕の傍に」
「それは楓の役目だろ」
「翔が心配」
「大丈夫だ」
繭は何かに気付いている
俺が燕羽の後を追う事も
そして氷龍がやって来た
「ボート小屋は心霊スポットだった?」
「吐き気しかしないな」
「何匹いた?」
「10匹はいた」
「じゃ、うさぎ狩りでもしようか」
「今動いたらバレるぞ」
「だね」
苦笑して紅茶を飲み干した
あいつらには何も与えない
全て奪ってやる
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