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CAGE6:止まない愛情26にしおりをはさみました!
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CAGE6:止まない愛情26
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苦しかった。快楽を拾う身体が惨めで、悔しくて、何度も何度も唇を噛み締めて……
それでも現実は残酷で、何一つ救いの手なんて現れなかった。
「ーー」
いっそ眠り続けた方が何も感じず楽なのに……
「ーー…!」
だけど俺は…………
「ーー……さ…ん!」
生きていたいと、そう願っている。
「ーー……ぉ…さ…ん!ーー洋さん!!」
重たい頭とぼやける視界が急に明けて、聞き慣れた声が耳に届いた。
「………直?」
上手く働かない頭で目の前に倒れながら心配そうな面持ちで見上げる顔が直のものであると認識し、体を動かそうとして後ろ手に縛られていることに気付く。
椅子に座らせられ縄でくくりつけられた状態だ。
椅子自体はビス止めでもされているのかビクともしない。
「洋さん……良かった……!全然目を覚まさないからどうかしたんじゃないかと…」
そう述べる直も体を縛られ、床に横たわっている状態だった。
「……俺は平気だ。そっちは?」
「大丈夫です。眠らされていただけのようです。」
見渡した室内は真っ白で無機質だ。
あまりの白さにまるで自分達が汚れ物だと責められているようだった。
「………怖いぐらいの白、ですね。」
同じように部屋を見渡した直が呟く。
窓もなく白いLEDが全体を照らし出している。
出口は正面に見えるドア一つだけのようだ。
「……僕を連れてきた男性……あの人が倉橋 春伊、貴方のお父さんなんですよね…きっと。」
少し躊躇いがちに紡がれる言葉。
言わんとしていることは分かる。
「……ああ、そうだろうな。似ていたか?」
「……面影は、ありました。」
「腐っても同じ血だからな。」
滑稽だと笑える。
血を流しても、流しても…作られるものは同じ。
あの女と、あの男と……俺は燻り何ら変わりはない。
沈黙した部屋を突如ドアの音が破った。
「起きましたか。」
顔を覗かせたのはいつもと変わりない美柴だ。
「美柴くん……」
「おはようございます。立花さん、洋さん。」
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