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友達から始めましょうか? 1(聖夜side)にしおりをはさみました!
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友達から始めましょうか? 1(聖夜side)
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立ち入り禁止の文字。本来開いていないはずのその扉だけれど、ノブをひねれば簡単に開いてしまう。
そしてその扉の先にいる彼にいつものように笑いかけるのだ。
『あっ、やっぱりいた!教室に来たら良いのに…友達作り出遅れるぞッ!』
あの騒動があってから数週間が経つ。3年生の彼らは罰として廊下水拭きの刑に処された。
もちろん創は無罪なので特に何か罰を与えられることはなかったのだけれど、一応事故とはいえ聖夜を殴ってしまったと言うことで教師にお説教されたらしい。
昼休みも後半になっているこの時間は太陽の光が1日のうちでも暖かい時間だ。学校に来ているのに教室に来ない創の行動は疑問に思ってしまうのだけれど、創なりの理由があってのことだろうから無理にとは言わない。だけど軽い調子で誘ってみることにはしているのだ。
いつものように創の隣に座って、『ここはあったかいね〜』と言えば『お、おう…』とぎこちなく返ってきた。もっと仲良くなって、いつか気楽に話をしてもらえるような、そんな存在になれたらなと思う。
何やら隣でもぞもぞと忙しなく動いている創。落ち着きがない。何かあるのだろうか。
横目で見ていると、『あっ、あのさっ!』と意を決したように切り出した。
『ん?どうしたの?トイレならここからちょっと遠いから早い目に行った方が良いと思うよ』
『えっ?あ…そう…か……いやいや、そうじゃねーんだよ!……あの…』
創が何かを言おうとしたのだけれど途中でチャイムが鳴ってしまう。次の授業は現代文でその後が体育だ。聖夜が1番不得意とする持久走。
体力テストなんて必要ないものが存在することがいけないと思う。
いや、必要だから存在ているのだけれど。
創には悪いけれどそろそろ教室に戻る必要がありそうだ。6限目の授業が体育だと言うことを伝えては立ち上がる。創の体育の成績は確か良かったはず、せっかくだから体力テストで良い結果を取ってもらいたい。
『待ってるね!』と手を振っては急ぎ足で教室へと戻る。
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