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友達から始めましょうか? 7(創side)
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後半グループも走り始める。
今さっきイラついていたというのに視線は気づけば聖夜を追っていて、凄く一生懸命に走っている。そりゃもう全速力で今にでも死にそうなくらいの表情で、だけどそれでも自分に打ち勝って前へと進んでいる。
あんな表情をして走るだなんて、大学の駅伝にでも出ている人のように思えてくる。
そして順位は、ぶっちぎりのビリだ。
何故だ。思わず目を疑う。
あんな必死に走っているのに、あんな顔をしているのに歩いた方が早いのではないかという速度。
どうやら人一倍運動神経が悪いらしい。
まだ一周走っただけだというのにもう後半に差し掛かっているかのような苦しさを見せている。
『おー、花やんもリンちゃんもグッさんも、皆んな頑張っとるなぁ〜。……おっ、あんた不登校の子やんな?さっき速かったなぁ〜。まぁウチには敵わんけどなぁ〜、アハハッ!』
『海、待ってくださいよ。私は走ってすぐに大笑いできる貴方のように体力馬鹿ではないのです、もうすこし休憩をください』
なんだか騒がしい2人がやってきた。先ほどの短髪だ。
流暢な大阪弁を話す彼は大きな笑い声と明るい笑顔からきっとすぐに友達を作ることができる人種だ。
誰にでも好かれるという才能を持っていることは明らかである。
そしてその隣で休ませろと文句をつけている彼。オン眉のように前髪は眉毛よりも短いのだけれど、オン眉と違って此方はパッツンだ。サイドもパツっと切られていて、後ろ髪が短い姫カットである。
まるでどこかのおぼっちゃま。しかも、江戸時代に出てくるような古風な雰囲気がある。
話し方からして良い環境で育てられたことは間違いないだろう。
そんな2人が、というか主に短髪の方が話しかけてくる。
一応学校には来ているから不登校ではない。ただ教室に入らないだけだ。
そんな言い訳を考えていたところ、短髪は了承も得ずに隣に座ってくる。
姫カットは少し戸惑ってから自分とは反対側の短髪の隣に腰を下ろして、だが此処に座ってはいけないなんて決まりはないので特に何かを言うこともなく聖夜をまた探し始めて。
だけどやはり不登校だと思われるのは癪だ、顔は聖夜の方に向けたまま言い訳を言い始めて。
『俺、一応学校には来てンだけど。教室に行ってないだけ。だから不登校ではねーぞ、多分…』
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