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友達から始めましょうか? 8(創side)にしおりをはさみました!
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友達から始めましょうか? 8(創side)
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『教室に来て授業を受けないと欠席と同じことですよ?学校に来ているのなら教室にこれば良いではないですか。来てしまえば眠っていても真面目に勉強していても出席にはなるのですから』
反論されてしまった。しかも、短髪の方ではなくて姫カットの方に。
こんなにもはっきりと反論してくるのはやんちゃな奴を除けば珍しい。姫カットのくせになかなかの強者ということだろう。
もう一度顔を見てみればもうなんだか女に見えてきた。可愛い系ではなく、美人なお姉さん。初対面の人に女だと言ったらきっと信じるだろうな。
スッと切れた一重の目なんて男ウケが良さそうだ。
だがまぁ、聖夜には負けるな。聖夜のあの天使の笑顔に勝てる奴なんていないんだ。
と、話が逸れたが、何故教室に行かないか、だったか。
そんなの決まっているだろう?だって俺が行かない方が皆んな平和だろうから。
ヤンキーで不登校児で、そんな問題児が教室に入った瞬間を想像してみろ、一瞬にして皆の表情が固まり、そしてコソコソと話し始めるに決まっている。
『なんであいつがいるんだ?』ってね。
そんなの耐えられない、と言うのが本音だ。こう見えてメンタルはあまり強くない。だから無意識のうちに逃げてしまうのだ、自分にとって不都合な事態から。
『俺なんかが教室にいたら空気悪くなンだろ?クラスに友達とかもいねーし。…つまンねーんだよ』
『……創って意外と繊細な心の持ち主だったんですね』
『ンだよ?悪りィかァ?』
『いいえ、何も悪くありませんよ。ただ、そこまで自分を過小評価することもないかとは思いますけど…』
『過小評価、ねぇ〜。あいにく俺は自分に自信が持てるよーな性格してねーンだよ。…ってかサラッと流したけどさー、なんで俺の名前知ってるわけ?』
『……貴方はおかしな事を聞きますね。級友の名前と顔くらいわかります。……まぁ、創の顔は流石に今日までわかりませんでしたけど…』
級友、なんて言葉を使う人初めて出会ったかもしれない。古風な雰囲気があるとは思っていたけれど、さらにそのイメージが強くなる。
それよりも名前を知っていてくれたことが正直に言って嬉しい。
むしろ姫カットなんて呼んでいると言うことが申し訳なく思えてくる。
それに、こんな人がクラスにいるのならたまには教室に顔を見せるのも悪くないかもしれない。明日、もし天気が晴れだったらちゃんと学校に来てみようかな。そして、教室に入ってみようかな。
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