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9話 4にしおりをはさみました!
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9話 4
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体育祭も午前の部を終え、お楽しみの昼食に舌鼓を打つ。
しかし脳内に妬きついた衝撃的なシーンがどうしても頭から離れてくれない。
「なんだよ、食わねーの?」
向かいに座る流が千尋の弁当を覗き込む。
体育祭だからか学園側から弁当が配られた。
流石私立校、弁当の中身も驚きの豪華さだ。
「食うよ!……でもさ、この学園ってマジであんなのばっかなのかよ?」
声のトーンを落として喋るのは話題が話題だからだ。
「あー……まぁ。その内馴れるって」
「馴れたくねーよ!」
午前の部のラストを飾ったのは二人三脚だった。
そう、面白そうだと千尋が最初に選ぼうとした競技だ。
なにがそんなに衝撃的だったかといえば、ここは男子校。
所謂ホモという人たちが多い……というのは何となく分かっていたが参加者の一部は相手の肩や腰に触れるとき、明らかにそういう目でパートナーを見つめていた。
中には相手もそれを受け入れているようで恥じらいながらも笑みを綻ばせていたのには言葉も出てこない。
もしあれに自分が出ていて、相手がそっち系の人だったら……と考えたらちょっと怖い。
別にホモが嫌いとかではないが千尋はノーマル、女の子の方が好きだ。
「でもお前だって……あ、いや何でもねー」
「何だよ?」
「だから何でもねーよ!つーか、あれはお前が悪いしな……」
後半の言葉をぶつぶつと呟く流の耳が赤い。
一体なんだって言うんだ、と思った途端「あ、」と千尋の 顔もまた赤くなる。
「あああああれはお前が勝手に襲い掛かってきたんだろ!」
「お前が誘ったからだろーがッ!!」
思い出したのは発作が起きたあの夜のこと。
(そういえばオレって流とヤってんだよな……でもあれは事故!そう事故だよ!!)
「なになに?また喧嘩してんの?」
先に昼食を終えた奏がひょっこりと二人の元にやってくる。
どうしたのかと交互に顔を見てくるので二人は理由を話そうと口を開いて、
「「なんでも」ないです!」ねー!」
と、ほぼ同時にそれ以上話には触れなかった。
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