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2話(2/4)にしおりをはさみました!
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2話(2/4)
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「あ……ありがとうございます…」
正直言って要らない物だが。
愛想笑いを作り男から受け取り、適当に鞄の中に突っ込む。
長居はしたくない。
さっさと行こうとするが男は千尋を見て眉を潜めると突然肩を掴んできた。
そしてまじまじと千尋の全身を観察し始める。
「な、なんですか」
「……きみ男、だよね?」
「どっからどう見ても男にしか見えないだろ!」
男のコートを自分の方へ引き寄せ噛み付く勢いで顔を近付ける。
幼い頃からどうも発育も悪く名前のせいもあってか女に間違われる事はある意味で日常茶飯事。
町を歩けば「彼女」と呼ばれナンパされ痴漢に尻を撫でられた事もある。
よく見てみろと叫べば男は申し訳なさそうに笑った。
「ごめんごめん。名前もそうだけどコート来てるから制服も見えなかったし声も男の割に高いし、それに…「アンタは俺を怒らせたいんですか?」
男の身体を突き飛ばしよろめいた隙に千尋は背を向け歩き出す。
本当に腹が立つ。
見ず知らずの人間にコンプレックスを指摘され殴らなかった事を褒めてほしいぐらいだ。
「ちょっと待って!」
「何だよ!こっちは急いでんだよ!!」
「知ってる」
慌てた様子の男が千尋の腕を掴んで来た。
急いでるのを知ってるなら離せと叫ぼうとしたが、男が発した言葉に千尋は耳を疑う。
「発作中、なんだろ」
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