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10話 1にしおりをはさみました!
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10話 1
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そう、それでいいんです
人生が薔薇色とはよく言った物だ。
きっかけなんて人それぞれだろう。だがそれが何かを知っている人間なんてきっと居ない。
ただハッキリと言えることは千尋は現在人生薔薇色状態なのだ。
「フヘ……へへへっ」
何度も何度も携帯を眺めてはニヤニヤと口角が上がるのを感じる。
別に何もエッチな画像を見ているとかではない。
昨日の事を思い出すと楽しくて楽しくて仕方が無い。
白谷に誘われた合コン。最初こそどうなるものかと思っていたがあんなに楽しいものだったなんて知らなかった自分が勿体無いほどだ。
「何やってんだよ、気色悪ぃな」
「何とでも言ってろー。へへへ……ふふふ」
「お前、マジで気持ち悪いんだけど。なんか変なもんでも食ったんじゃねーの」
何を言われても今の千尋は全く動じない。
そんな千尋に流は近寄らないでおこうとわざと距離を置いて座ったものの、気が付くと隣に千尋が座ってきた。
「な、なんだよ!」
「なぁなぁ、オレ今どんな風に見える!?」
「ハ?キモい、ウザぇ、腹立つ、キモい」
「そっかそっか幸せそうだってかー?だよなー、クククッ」
流の肩をバンバンと叩き大声で笑う千尋に流はとうとう言葉を失った。
今の千尋には何を言っても通用しないだろう。
「随分と楽しそうだね、千尋くん」
「ちょ、慶一さん!コイツどうにかしろよ!マジでどうか
してるって!」
談話室から溢れる声、というか千尋の声に誘われるよう慶一が姿を見せる。
助けを求めた流だったが騒ぎの張本人である千尋は新たなる来訪者に更に声を上げた。
「慶一さん!ちょうどいい所に!!」
「どうかした?そういえば昨日は何処かに出掛けてたみたいだけど」
自分専用の革張りのソファーにゆったりと身体を預けて尋ねる慶一に千尋はクスリと笑うと先ほどまで自分が飽きるほど眺めていた携帯をバッと掲げた。
画面に映し出されていたのは千尋と誰かが仲良さげにしている写メ。
「あン……?なんだ、それ」
「もしかして千尋くん……その隣の子って、女の子だよね?」
「そう!実はオレ、彼女が出来たんです!!」
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