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7話(2/5)にしおりをはさみました!
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7話(2/5)
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昼休みのチャイムが鳴ると、校舎の中に賑わいが増す。
食堂に行く生徒から自席で弁当を広げる生徒と昼食を取るスタイルは様々。
千尋はといえば入学してから毎日林さんお手製の弁当を自分の席か天気がいいときなんかは外で食べている。
それから最近では、
「流ー、一緒に飲みもん買いに行かね?」
「は?俺あるから自分一人で買いに行ってこいよ」
「また自分ばっか抜け出してコンビニ行ったのかよ……どうせならオレの分も買ってきてくれたらいいのにさ」
しっかりと机の上には飲みかけのペットボトルがある。
さっさと行って来いと手で追いやられ、仕方ないなと千尋は少し不貞腐れたような顔で席を立った。
流は林さんの弁当は要らないと断っているらしく、いつもコンビニや売店なんかでパンを買ってそれを食べている。
自販機があるのは下駄箱の近く。
少々距離があるのでのんびりと散歩気分で歩きながらフと思う。
友達になりたいんだと判明してから自分でも流と距離が縮まったような気がする。
その証拠に昼食は一緒に食べているし、登下校も一緒だ。
授業をサボろうとしたり寝ようとしたら即効で阻止している。
……結果はどうあれど。
本来ならば授業を受けていないのに成績優秀だなんて知ったら「嫌味な奴」と妬んでいたかもしれない。
けど今はそうではなく、負けないという闘争心がメラメラと燃えている。
これでも一応奨学金を目当てに受験していたのだから勉強は嫌いではないし、成績だって決して悪いほうでもない。
いつか流に勝ってぎゃふんと言わせてやるのが密かなる野望なのだ。
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