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唯一無二にしおりをはさみました!
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唯一無二
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あたたかい…
なんだろうこの懐かしい感じは…
誰かに抱きしめられてる?
自分ではない匂い…
けど落ち着く…
擦り寄ると少し笑った声のあとに頭を撫でてくれた
その気持ちよさにもう1度夢の世界へと戻った
«ジリリリリッ»
そしてやっぱり俺を起こすのは目覚まし時計と音だった。
カチッとボタンを消して起きようとする…
ん?起きようと?
なぜ俺はベットで寝ている?昨日確か俺は床で寝てしまった気がするんだが…って昨日の狼が後から抱きついてる!?
紫苑「はーなーせー」
っよし離れた。
まだ起きそうではなかったのでとりあえず学校に休むと連絡を入れた。
さて俺は普段朝は食べないがこいつは多分腹減るよな
紫苑「頑張って作るか…」
うーん
とりあえず和食とゆう事でワカメのお味噌汁と白いご飯,貰ったけど食べようかどうかずっと悩んでたシャケ,サラダとトマト…これでいいかな?
「なんかいい匂いがする…」
紫苑「あ!起きたのか,美味しいかどうかわかんねぇけどちょうど今朝ごはん作り終わったんだけど食うか?」
数秒間何か考えていたようだか食うとだけ言って席に座りすごいスピードで食べ始めた。
まさに狼さん…
「おかわり」
紫苑「ふふっはいよ」
そして狼は3杯ご飯を食ってごちそうさまをした。
よく食ったな…
片付けを終え狼が座っているソファーへ腰掛けた。
紫苑「さて,体の傷痛くねぇか?痛いなら痛み止めとかもいちようあるが…」
「大丈夫だ,昨日お前が丁重に手当した上に添い寝までしてくれたおかげでそこまで痛くないさ」
紫苑「良かった…って俺自分からベット入ったのか!?」
マジか~
俺変態じゃん…
「なぁ」
紫苑「ん?」
「何で何も聞かねぇの?気になんねぇのか?しかも普通見ず知らずの男助けたりするか?」
めっちゃ真剣な顔してどうしたかと思えばそんな事かよ。ドキドキして損したわ。
紫苑「気にならないと言ったら嘘になるかな~でも聞かれたい?もし俺が何らかの理由で同じような状況になったら聞かれたくねぇと思うからな…違った?聞いてほしいなら聞くけど?」
「いや…あってる」
紫苑「何で助けたかって言われたら困るな~理由なんてねぇもん,たまたま傷だらけの狼を拾った,あのままにしてたらお前死にそうだったんだよな~」
「否定はしねぇ」
紫苑「な?もし次の日のニュースとかで死んだとか見たら俺後味わりぃーモン」
「…」
腑に落ちないような顔してる。
「紫苑は,誰にでもそうなのか?」
紫苑「何で名前…」
「お前が書いて行った置き手紙に書いてあった」
そーいやそーだった。
よく母さんとかに書く時名前書いてたから癖で書いちまったのか…
紫苑「誰でもってわけじゃないさ,その時の気分かな?強いて言ったら疑うことに疲れたからかな~こー見えて昔はめっちゃ人のこと疑ってたんだぜ?家族も,幼馴染も,誰だろうと…全員信じれなかった,信じれんのは自分だけだった」
「…」
誰も求めてくれてない…
生きてても誰も喜ばない…
死んでも誰も悲しんではくれない…
紫苑「だから中学の時ピアスを開けた,痛みだけが唯一信じれる本当だったから,でもある時気がついたんだ,疑おうが信じようが何も変わんねぇって,俺が生きてて誰かが喜ぶこともねぇって」
「…」
紫苑「それに気づいたらもう何すんのもめんどくさくなった,だから騙されようが何されようが何も思わなくなった,疑うことに疲れたからな…今まで俺に話しかけてくれてた人らに感謝してるよ今はな…」
「…」
紫苑「だから別に意味はねぇよ」
「…俺は」
紫苑「ん?」
「俺はお前がいなきゃ死んでた,少なくとも,お前の周りの人間がお前を必要としてないとしても俺はお前が生きてここにいてくれてることに感謝してる」
俺が行けてることに感謝?
こんな俺が必要なのか?
紫苑「そうか…」
「狼(ロウ),オオカミって書いて狼俺の名前」
紫苑「ははっそのまんまだな,ふふふ」
狼か…
紫苑「お前がいたいだけここにいてくれてる構わない,そこの袋ん中に服も買ってる,これ合鍵だ,渡しとくから勝手に出かけてくれてもいい,好きな時にここに入ればいいしな」
狼「いいのか?」
紫苑「その代わり俺が出かける時や帰った時家にいるならいってらしゃとかおかえりとかおやすみ,おはよう,そう言ってくれるだけでいい」
狼「紫苑,マジでありがとな」
ぎゅっと抱きしめられてる…
とても暖かくて落ち着く感じ。
1人ではないと思えるこの安心さ。
それからは学校に行く行く時は「いってらしゃ」って言ってくれる。
朝は「おはよう」,ご飯を作れば「美味しい」って,でもたまにダメ出しもされるけどね…
昼は作り置きとか買い置きとかして食べ終わったらLINEで「美味しかった,夜は○○がいい」って
帰ってきたら「おかえり」って言って抱きしめる。晩御飯を作って一緒に食べる。
その後傷の手当をして一緒にゴロゴロしてベットで寝る。
そんな日々が3ヶ月続いた。
紫苑は次第に狼が気になり始めていた。
そして狼も紫苑のことを特別な感情で見るようになっていた。
いつしか2人は告白をしたわけではないが自然と付き合い始めていた。
キスをして抱きしめて,心と体で愛を誓った…
家族の暖かさを知らない紫苑にとって狼は大切で大好きな唯一の存在へ…
そして狼もそんな自分だけを愛してくれる紫苑を同じくらい愛し,唯一の存在へ…
唯一無二…
2人はお互いに求めあっていた
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