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18歳以上ですか?
8にしおりをはさみました!
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8
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「…あれ、聞いてない?」
苦笑いする森崎
「今度売り出そうとしてる子のPVに出て欲しいのよ
最初は黒アゲハで決まる予定だったんだけどね
うちはできたばっかの小さいプロダクションだからさ…」
……アゲハ
「………」
テレビでキラキラした笑顔を振り撒くアゲハの姿がちらついた
それと共に夜の街での事も思い出す
「キミ、雰囲気全然違うけど
何となく黒アゲハに似てるよね」
「………」
このプロデューサーは
アゲハの代わりを探してた…?
僕はアゲハの代わりじゃない!
「…帰りま…」
「ちょっ、待てよ!」
出入り口に向かおうとする僕の手を離さず、森崎は強く握ってきた
「逃がさねーよ」
先程の態度が一変し、森崎は怖い顔を僕に見せた
脅し、というより
必死や焦りをひた隠す様にも見えたが
僕にはどちらでも同じだった
森崎が求めているのはアゲハであって
僕では、ない…
「やっと見つけたんだ!
…なぁ、さくら
考え直せよ……」
森崎は周りが目に入らないのか、大きな声を出し
僕の肩を掴んで強引に引き寄せ
僕を捕らえようとした
僕は
バランスを崩して後ろによろける
「さくら!!」
僕の体が
森崎の胸の中に落ちる
それを抱き止められ
まるで背後から抱き締められた様な形になった
「……え」
それを引き剥がそうと
僕の名を呼び
誰かが走ってきた
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