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3にしおりをはさみました!
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涼乃の足が止まり、目の前にあったのは俺らの2-Aの教室とは離れた2-Eの教室。
普段好んで運動しない俺は、たった4教室分の距離を走っただけでぜえぜえ言っている。
そんな俺に対し、涼乃は中学3年間弓道部で鍛えられていたこともあり、そんなにへとへとではないようだ。こんちきしょう。
仲良くなりたての頃、弓道部って動かなさそうで結構体力作りとか筋トレでしごかれるとアツく語ってたのを思い出す。
…ってそうじゃなかった。
「何で…ゼェ…E組…ゼェハァ…」
「あはw朱琉ゼェハァしすぎーw」
「…ゼェ…るっせぇ…ハァ…」
3年間鍛えてきたお前に対して、3年間帰宅部で運動に縁の無かったんだからしゃーねぇだろーが。
「いやー。スクールアイドルやろうって思ったとき、パッと思いついた人がいるんだよね」
こいつ…もう既に候補いんのかよ…
しかもこいつの事だから、断れることは頭になさそうだな。
あぁもう。俺は知らねぇ。俺はただただ巻き込まれてるだけだ。
俺が息を整え終えたと同時に、涼乃は教室の中から人を連れてきた。
顔はそれなりに整っていて、明るめの茶髪が印象的な男。どこかで見たような…
「朱琉~連れてきたよ♪中高とダンス部でし・か・も・!歌もすごく上手な伺史次月君!去年体育と音楽一緒だったでしょ?」
あぁ。どうりで既視感があったわけだ。
特に音楽の歌のテストでかなり注目されてた…あいつか。
「ちょ。褒めんなってwハードル上がるだろーがよw」
伺史次月は照れ臭そうに頭を掻いている。
でも歌のテストの印象が深かったのは確かだ。
その上、中高とダンス部で最低でも四年間のダンス経験有り。
なるほど。確かにスクールアイドルやるには欲しい人材だ。
問題はスクールアイドルをやってくれるかどうか。
「次月君にお願いがあるんだけどいい?」
「おう。何よ」
さあここからが本題だ。頑張れ涼乃。俺は見守ってるよ。
「俺達でスクールアイドルをやりたくてメンバー集めてるんだけど、次月君入ってくれないかな?」
「スクールアイドル!?何でいきなり…」
「何となくだよ!」
「あ…理由は特に無いわけね(・・;)」
思ったより長引いた話の末、伺史は少し悩んだ様子を見せた。
さぁどうなる。伺史が入ってくれたらスクールアイドル計画も一気に希望が出てくる。
伺史が顔を上げた。
そして、涼乃の手を取った。
「っし!俺やるわ!宜しくな涼乃…と…」
「十夜朱琉。呼び方は好きにしていいぞ伺史」
「伺史なんて堅苦しい!次月でいいよ朱琉!」
…本当に、本当に参加してくれた。
これでダンス要員は補充できた。
あとは曲作れる奴だよな…誰かいたっけな。
…ん?あれ俺…
本気でスクールアイドルしようとしてないか…?
自覚は全く無かったが、気づけば俺は参加者探しの事を真剣に考え始めていた。
ほんの数分前は、涼乃の暴走に巻き込まれてとばっちりを受けたつもりだったのに。
…あーはいはい。俺の負け!
本当に涼乃にはかなわないな。
涼乃に付き合っていたつもりだけだったけど、俺も本気でやるか。スクールアイドル。
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