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初めての外出-1にしおりをはさみました!
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初めての外出-1
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「くっそ、てめえ。百瀬!何回出しゃ気が済むんだよ、この絶倫野郎」
今でも穴に何かを挟んでいる様な気がするし、腸が落ちて来そうで全く落ち着かない。
「ご、ごめん、佐藤……やりすぎた、ような、気も、しなくは無い」
ーー聞き取りにくいわ!
結局いつものように百瀬のペースに乗せられて、朝から二回ほど交わってしまった。百瀬は俺の手コキで出したのも含めると、三回も射精した事になり、俺が逃げ出さなければまだ続けようとしていたので、文句なしの絶倫野郎だ。
しかしまあ、始まると俺もノリノリで百瀬の肩や鎖骨に噛み跡を残して楽しんだから、お互い様なんだがな。
噛まれるとその痛みで興奮した百瀬はもう止まらない。だからそこは俺も頃合を見て、噛むタイミングを計っているのだが、頭の使うセックスなんて兄とはしたことが無いから新鮮でもある。
「おい百瀬。一番酷い箇所だけなんだから、絶対にガーゼは取るなよな」
少々噛まれるくらいじゃ物足りない百瀬はもどかしくなると、デカい体に似合わず子供みたいにしがみつきながら、もっと!もっと強く!と噛む力にまで注文を付けてくる。
俺も時々うっすらと血が滲むまでがぶりと噛み付くので、終わった後のやつの身体は殴られた様な薄気味悪い色をしているのだ。これが一日置くと更に変色して目を塞ぎたくなってしまう。
だから早めの処置としてピロートークもそこそこに、薬箱を出してきて毎回この様に俺が手当をしているのだ。
「俺は佐藤と恋人の醍醐味、甘いピロートークがしたいのに」
百瀬がガックリ肩を落としてショックを隠そうともしないので、今度は付き合ってやろうかと思っている。俺も少し心配症だからな。しかし、口内環境は凄まじい数の菌がウヨウヨしていると聞いたことがあり、どうしても早く消毒しなければと焦ってしまう。
一緒に入りたがる百瀬を置いて、さっさとシャワーを浴びに風呂に向かうと、色んな汁まみれになった身体を牛〇石鹸で洗い落とした。最近俺のお気に入りである牛〇石鹸の減りが速いと思ったら、百瀬も俺と同じ匂いになりたいと使い始め、愛用のボディーソープをやめたのだ。
「ふっ。同じ匂いになりたいとか、可愛いやつめ」
なんだかんだ言って百瀬が大好きな俺は、たわいも無いことに毎回心踊らされているわけで……。これって小説では溺愛のタグが付きそうだよな、なんて思いながら満更でもない顔をした自分の姿を鏡で見ている。
風呂から上がると百瀬とバトンタッチして、素早くTシャツとカーゴパンツに着替えると、コンビニまで朝昼兼用の食物を調達しに行って来た。
「さっきのやつ誰だっけ?」
人の顔を覚えない俺ですら、すっかり記憶に残るくらいよく顔を合わせる生徒がいる。名前までは知らないが、食堂やコンビニ、校舎の渡り廊下など、頻繁に会うので嫌でも覚えてしまったのだ。
背は百瀬と同じくらいだから180cmを少し過ぎた程度だと思う。しかしシャツの上からでも分かるほどかなり鍛えているようで、百瀬と同じかそれを上回る筋肉が付いている。
少し日焼けした肌が健康そうで黒い短髪は清潔感があり、一重の涼しげな目に筋の通った鼻がバランス良く配置されており、男らしくゴツゴツしてはいるが決してムサイ感じは受けない。
「腕なんか俺の二倍はありそうだよな」
ブツブツ言ってる間に百瀬が風呂から出てきたようだ。既にドライヤーで乾かした髪が艶やかに輝いていて、思わず見惚れてしまった。以前、髪まで牛〇石鹸で洗おうとしたのを俺が全力で止めたので、百瀬の実家から送られてくる高そうなシャンプーを使っている。
「佐藤さっきから何ブツブツ言ってるんだ?」
不思議そうに聞きながら俺の前の席に座ったので、買って来たおにぎりとお茶を勧めてやった。たったのそれだけで幸せそうに微笑む百瀬がくすぐったい。
「最近よく見かけるやつが居るんだよ。お前ぐらいの背で筋肉隆々って感じかな。あと短髪黒髪で日に焼けてるんだ」
「うーん。運動部になら沢山居そうなタイプだな……えっ、何かされたのか」
大概こいつも心配性だ。あの男とは何も無いんだから変に勘ぐられない様にしないとな。
「いや、なーんもねえよ。何かあったら知らせるから気にすんな。あ、やべえもうこんな時間だ」
まだ訝しげに見てくる百瀬を無視し、おにぎりを食べ終わるとさっさと片付けて出かける用意をし始めた。
「あの……佐藤。何か用事でもあるのか?」
「あぁ、朝丘に誘われて隣街の本屋に行く事になってんだよ」
そう、今日は学園に来て以来俺にとっては初めての外出なのだ。昨日のうちに外出届けも受理されて、本屋の新刊チェックも済ませてある。
朝丘と俺が仲が良いのは中学の頃親友だった延長だ。何かと世話を焼くのが好きなやつで、俺が外出の経験が無いと知ると、速攻で出掛ける計画を立てるほどの活発な性格をしている。
「おう。そうか……楽しんで来いよな」
少し寂しげな百瀬を見て一緒に出掛けたい欲求が生まれたが、風紀の見廻りがあると聞いているので誘うことも出来ない。
「……駅前に出来たケーキ屋のシンプルなレアーチーズケーキがすっげえ美味いらしいんだ。それ買って帰るから一緒に食おうぜ」
途端に気を良くした百瀬が大喜びでまとわりついて来たので、俺も素直にいちゃついてみようかと思う。
リーンゴーン
「「……………」」
どうやら朝丘が呼びに来たらしい。
独特の呼び鈴が鳴ったので、二人で仕方ねえなと微笑み合うと、素早く百瀬にくっつくだけのキスをされて、俺は真っ赤になりながら部屋を出て行った。
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